雨の(?)秩父へ。

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「閣下、このような形状のものをみせびらかして、果たしてよいものでしょうか?」 「なんと破廉恥な…しかもまだ剥けきってない(?)ではないか」 「あ、トンネルです…」


というフランス小噺(違)が思い浮かんでしまうほどもう限界だ、俺の「秩父欠乏症」。「餓死上等」とばかり、遠出することに。
純粋に観光地目当てだったら、悪天候なら当然中止も選択肢なわけだが、湯治が目的で通っていた頃は藁にもすがる思いから余程の荒天でない限り中止の決断はないわけで、その当時を思い出して雨の秩父に今の我が身を置いたら、いったいどんな過ごし方をしようとするのだろうか、などと思ったり。

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しかし雨、止まないねぇ。
所沢を出るあたりから、ようやく傘が必要になるような雨の降り方ではなくなり、ということは写真にも銀色に映る雨すじを収めることができなくなり、ただの曇り空。写真でいう一番ツマらんパターンで、どこまでも運の悪い「雨男」っぷりだ。
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西武秩父駅でも、子育て中。
秩父に着いたら何をおいてもまず秩父神社にご挨拶に伺わねばなるまい。
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平日の人出は、この程度。
途中、ユニクスそばのBookoffにも寄り道してから、常楽寺へも上ってみた。
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何故か大きくズレている鳥居。
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ユニクスの裏手崖は大掛かりな掘削工事中で、どうやらまた何かでっかい建造物を造ろうとしているらしい。
ニューディール政策をまだ、「あがめ奉る者たち」だ。
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坂氷の交差点から裏道を、もう何度も訪ねている大慈寺を目指す。
この程度の距離なら、バスを使わず普通に歩けるような土地勘になってしまった。
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ああー武甲山が、見えない。
小ぢんまりとした山寺の風情がとっても好ましいのだが、県道11号を行き交う車の音が騒々しいのが唯一のネック。しかしなぜか今日は車列が途切れて不意の静寂、という時間も結構頻繁にあった。
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そんな静けさの中でアニメのワンシーンと同じように石段に腰掛けてみると、足元からなにかがすーっと抜けていくような感じがして、何やらとっても心地よかった(パワースポット?)。なんだろ、これ。
休日にはまだまだ「聖地」として訪れる人が多くて、実際にはアニメよりも幅の狭い石段に腰掛けたりするのは通行の妨げ、迷惑になってしまうのだが。
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せっかくここまで来たので、そのままバスで西武秩父駅へ戻るだけなのも味気なくて逆方向へ、
以前断念している旧モンマート前⇒語歌堂⇒武甲温泉横瀬駅への横断ルートを開拓してみた。
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札所5番、語歌堂。
ご朱印・納経所の長興寺までは徒歩3分、ルートをはみ出て足を伸ばすつもりだったがなんと不意の腹痛。看板地図にあって一番近いはずの公衆トイレを求めて町民グラウンドへ。無人の語歌堂には公衆トイレの設置がないのだった。
教育委員会管理」の看板があり無人のグラウンドは、鉄柵が入場を拒んでいるようだったので躊躇していたところ、丁度入ってきた軽トラックの運転手さんが「何か御用?」と声をかけてくださったので、間一髪助かった(笑)。
今日、秩父まで来て初めて、現地の人の親切に触れることができた瞬間。
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心ばかりのお礼に、近くの自販機で缶コーヒーを買ってついでに一服させてもらう。
この「田端商店」前はコミュニティーバス・ブコーさんのバス停にもなっているが、時刻表を見る限り使い勝手が大変悪く、これでは高齢を理由に自動車免許を返納したら生活そのものが成り立たないのではないかと心配になってしまう。
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うっかり買い物や通院に出たら、帰って来れないのでは?
その武甲温泉前を素通り。大変未練が残るが、今日はまだ回りたいところがあるので寄らず。
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晴れたーっ!!
横瀬駅では丁度下り電車が出たばかりのタイミングだったらしく、男子高校生がひとりホームで待ってはいたが、彼も明らかに乗り遅れた体。
俺の足だったら羊山経由で西武秩父駅までのひと駅、30分もあれば丁度いい散歩コースなのだが。
そんな俺の迷いに追い討ちをかけるように「下り各駅停車、8分遅れ」とのアナウンスで、益々散歩にしちゃえばよかったロス・タイム。
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上りの交換レッドアロー「ちちぶ」号は、てっきり次駅芦ヶ久保で交換に変更かと思ったら、特急のくせに「抑止」でやんの。
俺はお陰で、この「レッドアロー・クラシック」を間近に眺められたが。
やっぱり初代レッドアローの直線的な流線型(?)が一番、カッコよかったよなぁ。ハメの外し方が迷走中な、西武特急。
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西武秩父駅に戻って、矢尾百貨店で味噌ポテトと缶ビールを買い、そのまま念願だったトラゲット(旧松竹秩父国際劇場)で夕食を済ませてから帰宅、のつもりだったのだが、トラゲットはディナータイムになってしまったせいか入口にメニューが掲出されていなかった。さすがに財布の残金が心許なくなってきており、建物の迫力にも気おされて敢え無く撤退。こんなに秩父駅寄りにあったんだっけ。ということで一旦秩父駅まで歩き通したが、腹が減ってきたせいかなんだか急に疲れが出る。17時を回ってしまっており、贔屓の「じばさんセンター」もすでにシャッターを下ろしてしまっている。
不本意ながら西武秩父駅に戻り、「祭の湯」フードコートでわらじかつ丼を注文した。味噌ポテトが控えているので、「小」でこと足りる。
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空腹に耐え切れずひと口食べてしまってから、慌てて写真に収めたの図。
窓の外は急速に暗くなり、異郷での夜、という不安感が「遠くへ来た気分」を実感へと盛り上げてくれる。なんだかワクワク。
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平日夜の空席具合。
18時からは「飲み放題ビアホール」の幟が立っていたが、平日夜のフードコートはそもそも人がいない。
売店に寄って念願の日本酒を買う、持ち帰り用。
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特急ホームには西武の新特急「Laview」が発車時間を待っていた。
一番の特徴である巨大な側窓は、夜になると照明の加減でむしろ外から車内が丸見え。そのうちわざとミニスカート穿いて窓際に座るヤツが出てくるよーな(いないか)。
おまけに西武鉄道としては、進行方向が変わる飯能駅まで「後ろ向き」とするのが既定らしく、まだ明るかったら見所の秩父線内の景色が後ろ向き。どんな罰ゲームだよ感。
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俺はそんな何かと「窮屈な」特急をあっさり見送って、5分後発となる各停へ。
ガラガラなボックスシートに誰に気兼ねすることなく進行方向に向いて足を延ばして座り、矢尾百貨店で買っておいた味噌ポテト+缶ビールを窓サッシに拡げる。
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今日は串なしの方にしてみました。
シートはリクライニングこそしないが、別に先を急ぐ道中でも無し。
これぞ至福っ!

秩父鉄道への連絡線を長瀞行きが下っていく向こう側から、すれ違いざまに抜け出てきたのは…昼間撮り逃したピンクのデキ504!
慌ててカメラを構えるも、暗くて止まって写ってくれない…やや泡喰ったまま咄嗟に流してみた結果が、これ…。
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何故だか気が高ぶっており、いつものように酔いに任せて眠ることができないまま飯能駅終着。
往路と同じルートで千葉へ帰宅したら23時を過ぎていた。
また行こーっと。