土曜日、通院、五香たかね。

風に乗って、かすかに吹奏楽アンサンブルの音が聞こえてくる朝(さすが千葉県!)。
メトロノームの音も時折混ざっていたので、近所の学校校庭でマーチングの練習が再開されたのだろう。
9時半には起きる。丁度二度寝モードに入りかけていたタイミングだったので、なかなかツラい。
今日は2か月に一度の通院日なのだ(土曜日なので午後は休診)。
11時までには受付に滑り込みたい。

昨夜、室内の加湿を兼ねて部屋干ししていた洗濯物を陽に当てると朝食を済ませ、外出の準備をする。
まさか今日が「学会休診」なんてことは、と一応病院のHPを確認する。休診ではなかったが発熱外来の扱いをやめた、とある(どういう制度なのか全く知らないが)。
万が一コロナに罹患したら、これまでと違って何か理不尽な扱いを受けることになるのだろうか。

病院のドアを開けると、久し振りにびっしりと埋まった席から一斉に視線がこちらに向けられた、ような気がした。
何度かの医療ひっ迫を経て、この病院でも俺が知る限り、待合室に患者をできるだけ密集させない工夫を重ねてきているはずで、これだけの人数が土曜日とはいえこの時間帯に診察を待っているということはやはり、「第10波」は着実に始まってしまったようだ。
事前予想通り、今日(まで)俺は処方箋のみでも可、とのこと(次回は診察必須)。
会社の健康診断結果表(11月)も遅ればせながら持参してみたが、これは「受診のときに」ということだった。
まぁすでに検診医の評価コメントは入っているし、危険な兆候が何か発見されたのならその旨記載があって、本人が診察を希望するわけなんだが、なんか腑に落ちない。
処方箋は約1時間後になる、とのことだったので、空気が淀んでいる気がする待合室をそそくさと出ると、ゆっくり近所の公園まで散歩に行って時間をつぶす。

その公園の野球場では、少年(少女もいた)野球チームが模擬戦をやっていた。
親たちは並んでベンチから観戦している。
打って、捕って(がちょっと苦手?)、投げる、という基本的動作は多分運動音痴な俺よりもかなりうまいんだけど、「次の場面展開」を想像したりチームプレーができるようになる年齢ではないらしい。
それでもコーチたちは、怒鳴りつけることもなく繰り返し辛抱強く教えていた。
俺もこのくらいの年齢のときにこういう人達に出会えていたら、今みたいに身体を動かすことそのものを嫌いにならずに済んだかもなー、などと思う。
しかし、ぱっと見、お揃いの真新しいユニフォームに野球道具。当然日頃の練習にも公式戦にも…それだけのカネをかけられる奴らだけの「習い事」だよなーと思ったら、すごく嫌な気分になってしまった。

通院を早く終えることができたので、一旦部屋に戻って保険証やら薬やらを置くと、鞄の中身をデジカメに持ち替えて再び外出。
昨年末あたりから、「五香たかね」ちゃんがどうなっているのか確かめたくて仕方ない。
何でこんなに思い入れてるんだ、俺は?
nara-piyo2204.hatenablog.com
前回訪ねたのは2022年8月だった。
既報の通り、昨年正月にデータをバックアップする際、外付けハードディスクの主副を誤って、2022年すべての画像データを一瞬にして消してしまった。
つまりこれは、2022年の画像データを補完するための撮影。
加えて昨年、いよいよ2025年に京成電鉄への合併が決まった新京成電鉄
会社として「新京成」の名が消えれば、五香たかねちゃんも当然「リストラ」に…?


「五香たかね」ちゃん、「鉄道むすめ」の一員としてデビューした2021年4月には「新人」駅員の設定だった。実在していたらもう勤務3年目のベテラン駅務員さん?
こんなカワイイ駅員さんがいたら、素直に何でもお願いを聞いてしまいそうだ。

五香駅に次いで高根木戸駅にイラストが掲出されたのは、「デビュー1周年」を記念した翌2022年のこと。
なので正直、まだそのまま掲出されているかどうかは直近の情報がなく、現地に行ってみないとわからない。
とりま手前側の高根木戸駅から寄ってみて、掲示が終わっているようなら「別予定」、くらいの期待薄な感じで出掛けた。

津田沼ではさっそく、「8900系デビュー30周年記念」HM車に遭遇した。
元鉄道連隊が敷いたルートを譲り受けた新京成線は、カーブが多いことで有名だが、それだけに先頭車から見ていると、新津田沼の次駅である前原駅から、魅力的な撮影スポット目白押し。
多くは住宅街に変貌しているが、まだまだのどかな田園風景が残っている場所も多く、車窓は空が広くて気持ちいい。

高根木戸駅


あったあったよ、ありました!
これといった傷みも劣化も感じられないイラストが、撤去されることもなく。
この駅のたかねちゃんはデフォルメ版になっているが、改めて全ての掲示を見て回ったところ、目を瞑っている笑顔が個人的にはキュンキュン。

「松戸行き電車が、到着しま~す」


前回来訪時同様、駅前のスーパーで、昼食に助六寿司を買って、ぱくつきながら、駅周辺の線路際を散歩する。

スーパー裏手の、これは何の実?

知り合い親子にそっくりな後ろ姿の若い母親が、小さい男の子の手を引いて、ゆっくり歩いている俺を追い抜いて行って、ちょっと心がちくりとする。
1時間ほど線路沿いでの撮影を愉しんだ後は、淡い期待を抱きつつ五香駅へ。



五香駅でも、まだ撤去されていなかった五香たかねちゃん。

番線表示板は電光化されている分、掲示箇所が少ない?





こちらは有人駅で人目が届くからなのか、高根木戸駅にはなかった階段下と駅外階段(入口)の駅名票看板にも掲出されている。

こちらは東口の様子。

新京成グッズを扱っている駅なかのセブンイレブン(改札外)では、「SNSクリアカード」も売っていた。見たところ他に「五香たかね」グッズはなく、ちょっと欲しくなる。というか衝動買いしてしまった。
実はどういう風に使うものなのか、全く知らない(こんな買い物、生まれて初めて)。

帰宅してからじっくり眺めてみると何か違和感が…「別人?」。
どうやらオリジナル*1とは違う絵師*2らしく、駅で目にした「五香たかねちゃん」とはかなり印象が異なる。
もしかするとトミーテックとは無関係に、新京成が独自に作成しちゃったものかも知れない(っていうかデフォルメ版熱望)。

親会社の京成電鉄はなにせ「あのパンダ」(笑)のインパクトがあまりにも強すぎるために、「鉄道むすめ」って誰だったっけ?
むしろ営業的に、(新京成のように)前面に出すつもりはないらしい。
帰宅してからトミーテックHP
鉄道むすめ~鉄道制服コレクション~
で調べてみたら、「中山ゆかり」の名前が出てきてようやく思い出した。
そういえば時東あみさん演じるテレビドラマDVD、持ってたや。
こちらは駅員からデビューして現在は晴れて運転士、という設定になっている。そういえば京成線でも女性運転士を見かける機会が増えてきたよな。

今回の話題とは関係ないけど、新京成線では多くの駅で券売機上の大きな運賃表が撤去されている。

常盤平団地を擁する、広い駅前ロータリーがある西口側には、駅に向かい合う商店街の一角で解体~新築工事が始まっていて、大きなクレーンが入っており、どうやらマンションが建つようだ。


着実に、あの夏の訪問時よりも失われていく「昭和のアーケード」な風景。
前回のように常盤平団地まで撮影散歩する気分がもてず、テツにモードチェンジすることにした。
来るときに車窓からアタリをつけておいたカーブ…下から見上げる角度って、ガキんちょの頃のスカートめくりを思い出して、なんだかいいよね(をい!)。

当たり前のように次から次へとやってくる、新京成オリジナルの8800系も、いつ撮れなくなるかわからない(実際、すでに廃車も出ている)。

そうこうしているうちに15時を回ってしまい、帰りは津田沼へ買い物に寄るつもりだったが断念。自宅での缶ビールに向けて、すたこらさっさ。
復路は何かと好きになれずにいる昆虫顔の新車、80000系に乗り合わせてしまった。
へー、(京成3100系と同じ仕様のはずなのに?)非乗り入れ車なんだ。

帰りに通った高根木戸駅で五香たかねちゃん(デフォルメ版)が目に入っただけで、やっぱりついにまにましてしまうな(個人的にはデフォルメ版の方が好きかも)。

あの夏の訪問から、
撮り直せたもの、二度と撮れないもの。
三咲駅の「みさっきー」表記と「ふなっしー展」は、さすがに終了。ふなっしーとの(広告掲載)契約は、(「ふなっしートレイン」と揃えた)期間限定だったらしい。
高根木戸駅の北習志野寄りには、線路脇の車道から住宅街に分かれていく道の脇に手入れされた生垣とシンボルツリーがある平屋があったのだが、今日行ったところ更地になっており、周辺区画ともども再開発工事中だった。
五香駅前にあったパチンコ屋は夏に行った際、すでに廃業していたが、屋上に「キングコングに握り潰されそうになっているビキニ美女」の有名なシーンを模した人形? が残っていた。
こちらは今日、既に解体のためフェンスに囲われてしまっており、中の様子を伺い知ることはできなくなっていた。

こういう、俺以外の人にとっては取るに足らない(ブログにわざわざ載せるほどでもない)日常の風景的なカットが多く失われてしまったことが、時間が経つにつれてどんどん自身の心に重くのしかかってくる感じだ。

余録。
このときの「五香たかね」掲示がそのままだったのが嬉しかった、と画像付きでツイートしたところ、思いの外インプレッション数が多くて小心者の俺はビビってたのだが、最初に「いいね」をもらった方のツイートを覗かせてもらったところ、理由が判明した。
折しも三重交通が、新キャラクター(「鉄道むすめ」ではなかったが、同シリーズのような架空職員もの)を発表、名前を公募したところ、女性キャラの描き方について「自称フェミニスト」な方々が噛みついてきてちょっとした炎上案件になっていたらしい。
そんなタイミングで俺が、同じ国の遠く離れた千葉の地で、無邪気にも「掲示がそのままだったの、うれしー」などとツイートしたため、いつもより多くの「同好の士」な人達の目に留まったものらしかった。
もちろん俺に「いいね」をくれたのは「自称フェミニスト」側ではない方で、すでにウザがらみされて戦闘中のようだった。
「自称フェミニスト」な方たちの言い分が全く読むに値しないと俺が思うのは、一方で「キモオタ」と揶揄される男性に対してはその「やさしさ」が向けられることが一切ないからだ。
彼らの発言は、説得力のある合理性や人としてのやさしさから発しているものではない気がしている。

*1:イラスト:あとり

*2:「七六」とある