『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』

会社でドラム練習を始めるにあたり、喫煙所のない我が社で正しい「社交場」のあり方(はぁ?)について模索するつもりで買っておいた、『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』(書いてても我ながら、動機が謎)。

1巻をようやく手に取る。
以前、Twitterでフォロワーさんがリツイートされていたのを何度か目にしていたが、これは絶対に商業化(紙媒体化)される、と信じて疑わなかったので、実はちゃんと読んだことがなかった(好きなものは最後までとっとく派)。
このところの俺は上司の退職騒動にババァとの一騎打ちが重なったりして、ちょっとメンタル参ってたんだろう。他にも何冊かコミックスを買ってあるものの、目を通さないで積んである。
頭を使わなくても笑えるものから順に手にしてきた感じだが、ようやく読む気になったところ。

…秒でハマった。

俺も過去、近所のスーパーの店員さん何人かに同じように傍惚れしつつ、まぁさすがに打ち明けること叶わぬ思いだったわけだが。
そんな夢物語を、喫煙所でのやり取りを通じて叶えてもらったような気分。
そういう出会いで結婚に至った、という実話を耳にすることもあるが、いったいどうやって距離を縮められたんだろう。
人間関係性の構築に慣れてない俺には、どうやってもストーカー、にならないまでも、相手に不快感を持たれるような展開になる気しかしない(そういう自覚があるので、自らは決して動けない)。

偶然今夜はアイスを買い足していたが、アイスが出てくる話数(主人公・佐々木は買わずに帰ってくるんだが…1巻「14本目」)があったことを思い出し、読み返してにまにましながら、こたつでアイスを食べている。
俺自身はもう随分長いこと、こういう相手を思いやる気持ちからあふれ出ることばやら、傍から見ているとじれったいような会話の機会そのものがなくなって久しいが。
そう思うとこの週末も、ひとりだったな俺。

今日も世界中の「山田さん」に心の中で感謝しながら、スーパーに買い物に行きます。
心温まる物語を生んでくださって、ありがとうございます。