お客様はご当地The Swings Fourのメンバーそれぞれの出自・関係先である合唱関係者など、ご自身も何かしらで音楽活動をなさっている方々が中心だったようだ。なかにはミヤジャズで我々の演奏を耳にして、会社合唱部の同僚たちにもぜひ聞いて欲しいと、この機会逃すものかと何人か引き連れてご来場くださった方もいらっしゃったという。
もちろんボージョレーお目当ての地元の方もいらっしゃって、しかしこれが互いに期せずしてわかすぎさんの知己の知り合いだったりして、音楽を続けていると時々、こういう「奇蹟」が起こる。
我々の「主戦場」であるはずの東京よりもここ宇都宮の方が、絆の太いお知り合いが一気に増えてしまった感じだ。
そんなわけで、みなさん我々の演奏に手拍子で参加してくださったり、静かに耳を傾けてくださったりと、終始暖かく迎えてくださり、とても気持ちよく演奏させていただいた。
セットリストの通り、1stはいつものWINSっぽい曲、2ndはミヤジャズを意識してジャズ曲中心でお送りした。
俺としてはもちろん好みは2ndセットの方で、欲をいえばこれにもう少しビシバシ(?)した曲が入っていればと思う。
実は我々の「幕間」に笛の演奏があったのだが、高く澄んだ笛の音が美しかっただけでなく、バックバンドもカラオケもなく笛1本だけで、お客さんから手拍子をいただきながらたいそう盛り上がっていて、すばらしかった。
我々は4人もいるのに、音楽に対してここまで「自由」じゃないよなぁ…*1。
2ndセットに話を戻すと、実は2年ぶり、3年ぶりの曲もあり、それで道中「暗譜、暗譜」と個人的に気持ちハヤっていたところ。
「安全策」としてはいっそ楽譜を見ながら歌っては、という提案もあるわけで、それはそれでアリなんだが、リードとしてはどうにもそれができない性分で。
演奏後にもそんな話題になったのだが、楽譜を見ながら歌うとなるとどうしても楽譜から目が離せずそれで手一杯になってしまい、確かにこれだと音や歌詞は間違えないだろうが「全身を使った音楽(曲)表現」ができなくなってしまう。
俺なりに、「フロントを張る」とはこういうことなんじゃないかと思っている(決して目立つのが得意な方じゃないが…得意じゃないから演奏後はいつも、こんなにも疲弊するわけか)。
16日の主催ライブを終えてから昨夜までの間で、なんとか暗譜の目処は立っていたので、あとは自分との闘いだった。
それでもやっぱり本番には「魔物」が潜んでいるもので、想像もしないところで歌詞が飛んだりするんだよなぁ…*2。
せっかく生声でも歌えるほどの恵まれた音響環境だったので、比較的歌い慣れている”Their Hearts Were Full of Spring”と”Sing, Sing, Sing”では、自身も和声を楽しみながら歌えるように、テンポを明らかにいつもよりも落としてみた。
各ステージ30分のところ、いつも通りべしゃりが大渋滞(笑)、それぞれ1時間ほども歌わせていただき、最後はアンコールの声までいただいた。
これもすっかりおなじみの曲、 ”I Left My Heart in San Francisco”では、「この曲で終わり」という自身の思いも重なって、歌いながらさすがにちょっとうるっときてしまった。