サバイブ。

隣室の学生クンの転出があったせいかこのところ、過去のことを思い出してばかり。
加えてアクションもののDVDを観たせいか、夕食後に風呂から出た俺はバイオレンス傾向(笑)*1になっていた。

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逞しくて美しい、ハナニラの季節。


当時の俺は山手線の東側に土地勘なんぞ全くなく、右も左もわからないまま「ダーツの旅」よろしく「えいやっ!」と決めてしまった今の千葉の部屋。
そういえば引っ越してきた8年前の俺はまだ(ステロイド剤使用による)リバウンドの余波をまだひきずっていて、右手の皮膚が戻っておらず、雑巾を絞ったくらいでも手の皮が一気に剥けてしまう状態だった。

大学時代に付き合っていたカノジョと別れてからも、リバウンドの余波はさらに10年以上続いていたことになる。
音楽活動だけは細々と続いていたので、ありがたいことに次々と決まる演奏の予定だけで細々と命を繋いでいる感じで、俺を取り巻く様々な現実から目を逸らすことで生き延びられたんだと、今は思う。
正直、この大学時代のカノジョとの別れでは、文字通りひとりでこの先、見通しの全くたたないリバウンドと戦わざるを得なくなった絶望感から何度か中央線に飛び込もうと思ったことがある。本気で右腕だけを切り落とそうと思ったこともあった。
別れ方があまりよろしくなかったせいか、今でも未練がないといえばウソになる。
そんな俺の気持ちを知ってか知らずか、数年前に結婚した別の同級生からの年賀状にはそういえば、「そろそろ同期会を」などとこの人らしからぬ能天気な文言が書かれていた。
学生時代の俺の立ち位置からすれば、俺にその取り纏め役を期待しているとも受け取れるが、
行くわけないじゃん、やるなら勝手にやって。
三流大学なりに「大卒なフツーの暮らし」に着々とおさまっていく同級生たちの中にあって、結婚していないのもついに俺だけになった。
そんな俺が無理して出て行ったところでどうせ共通の話題もないし、場の空気が不愉快になるだけだから。
そんなこともあったよな、とお互い笑い飛ばせるのがオトナというものだろうが、どうやら俺の中では「時間が止まったまま」になってしまっているらしい。
みんなでひとつの目標をめざして一丸になれていたあの頃には二度と戻れないし、戻ることができない。
それを自身の内にはっきり刻み付けるため、くらいの決意をもって、それを受け止められるだけの強大な心的エネルギーがたまたまその日に残っていれば、顔を出せなくもないだろうが。

千葉での仕事を13か月で辞める決意をした7年前。
このままだといつか電車に飛び込むなー俺、という判断力は辛うじて残っているうちに退職することができた。
あの非人道的に多忙な状況のまま、あと1か月でも職場での遺留に躊躇していたら、いつの間にかそんな判断力も奪われてしまったに違いなく、ある日出勤途中の朝、何のためらいもなくなって京成線の線路内にいただろうと思う。
数か月前に当時のカノジョとの関係が決定的になっていて、それ自体は大きなショックではあったものの、お陰でプライベートではこの退職を止める人も理由もなく、もちろん「ふたりの生活」のこれから、など考える必要もなかったから、そういう意味では実にお気楽な決断だった。
あのとき躊躇なく辞めることができたから、今の俺は辛くも生き延びている。
…誰のために?
しかし人間、何が幸いするかわからない。

*1:まぁいつも以上に八つ当たり、程度の話だが。