緩む。

テレビを見ない生活を始めてからというもの。
就寝前にうっかりニュースを見てしまい、不愉快な思いをして眠れなくなる、ということはなくなったが、
逆に朝、ネットでニュースをチェックして不機嫌になる、ということが増えた(^^;

f:id:oku_anijin0406:20200530234119j:plain
5月の、獲物…パン食べすぎ。


コロナ騒動は政府の緊急事態宣言解除に伴って、急速に収束したかのような生活風景が戻ってきている。
そう映ってしまう俺自身も、どこか気が緩んでいるのだろう。
テレビのニュースでは、象徴的な映像…例えば有名繁華街の賑わいぶりなどを映像で紹介してはまた、視聴者のショックと自粛警察的な怒りを煽っているであろうことは想像に難くない。

しかし規模の大小はあったとしても、「第二波」は必ず訪れる。
現に北九州市でその「先駆事例」の兆候が濃厚であること、東京都内の病院でも新たなクラスターが発生したと報じられている。

もどかしいのは自分自身が幾度気を引き締め直そうとしても、自身もそれと気づかない無関心な感染者がひとり混ざっていたらアウトになることだ。
もちろん俺自身が近い将来、この「無関心な感染者」になるかも知れないし、これまで症状が出なかったからといって俺が現状取っている「対策」が万全だなどということもない。
一蓮托生な世の中。
この割り切れない思いを適切なことばにする能力が、今ところの俺にはない。

東京都が今日(29日)の会議で「ステップ2」への休業要請緩和に踏み切るらしい。そんなニュースを、丁度スマホで会社の同僚が見たらしく、休み時間に話題になっていた。
当初は解除の最終段階といわれていたスポーツジムが、いつの間にやらステップ2の営業再開業種に潜り込んでいてとってもミラクル。いったいどんな魔法を使ったのやら。
医療現場を除くと最初のクラスター発生は、俺の記憶が正しければスポーツジムじゃなかったか?
「この自粛生活の期間、身体を動かすことの重要性をみなさんそれぞれに痛感なさったかと」
といわれても、学生時代、運動音痴というだけで体育教師にいじめ抜かれて、今やすっかり運動嫌いが高じてしまった俺としては、スポーツジムこそがその受け皿として必要不可欠な場所、という理屈には全く賛同できない。
運動不足に懲りたんだったら、自分ひとりで走るなりストレッチするなりスクワットするなりすればいいだけの話じゃないのか。

俺はこの間も、会社側の都合により時短になったり、俺自身の意思で週1日は在宅作業に切り替えたりはしたものの、ラッシュを避けるための早朝出勤は変えていないし、出勤すればどこに寄り道することもなく部屋との往復トレースな毎日の繰り返し。
こういう俺の生活「軸」がとりたてて何ひとつ変わったわけじゃないが、リア充だか家族持ちだか、そもそも経済的に余裕があるヤツらが一日でも早く「息を吹き返す」ために、精神的な我慢だけを強いられていると思うと、バカバカしくて協力する気なんか失せる。
という俺のようなことを考えているヤツも、実はそれなりに多いんじゃないかと。
朝、湾岸倉庫街へ向かう人たちを中心に、マスクをしていない人が急速に増えた。

明日からは緊急事態宣言が解除されて初めての週末。
天気がいいと誰しもが外出したくなるし、気持もつい緩んでしまい、必要な食料品だけでなく買い物に歩き回ってしまいそうだ。

学生街である近所の商店街は、他の地域に比べるとまだ営業再開には慎重なようだ、と整体院の院長と話していた。
学校が始まって学生が一斉に戻ってくると、何やらかすかわからんしなぁ。日頃の行いが行いだから、全く信用ならん。
そしてこの週末の「結果」が出るのは、2週間後の6月中旬。

人と同じタイミングで、人と同じところに行き、人と同じことをしないことだ。
何よりそれが、感染防止の手だてにもなるはずだから。

っつーか「週末一斉休み」という制度自体、そろそろ見直してもいいんじゃないかとHSPな俺が進言してみる。
ゴールデン・ウィークもシルバー・ウィークも、観光・サービス業、物流、医療・介護、その他社会的インフラ業の方たちは元々当たり前のように働いていらっしゃるわけで。
今回の騒動で、大手から末端中小零細企業まで、事務所に必ずしも全職員が常駐してなきゃいけない事態なんてそうそうないな、という実感も全国民で共有できたと思うし、ついでに肩書だけで実は仕事してなかった上司、なんてーのもあぶり出されちゃったりもして。
内需を育てようと思ったら産業構造改革が必須といわれるわけだが、だとしたら今回の「危機」をきっかけに、一斉休業そのものを見直すことができれば、それだけで「波」はまだまだ小さくできるんじゃないだろうか。
一年分をゴールデンウィークで稼ぎ出す、なんて無茶でリスキーなことに頼らず、観光客が1年を通じて均等に分散来訪するようになれば、観光渋滞もなくなって社会的コスト(損失)も下がり、物流業への実被害も減少するし。
一斉に休むから、必要以上に「はしゃいじゃう」わけで。
別に目新しいことをいっているわけではなく、この論調を俺が最初に目にしたのは観光庁が創設されるよりもかなり前、なんと某自動車雑誌の「社説」欄で、1980年代後半のことだ。

「新しい生活様式」っていったって人間なかなか、そう都合よく激変できない。
トップダウン方式で強引に舵を切ろうとすれば、俺のように自律神経失調や腸炎になっちゃったり…(^^;
別に、子どもの頃にみた絵本の中の、未来予想図のようなスマートな生活を望んでいるわけではなく。
まずはできるところから、手を付けてもらえないもんですかね。
そういう地道な「変革」の積み重ねが結果として「新しい生活様式」になっていくんじゃないかと。

ついでに行きすぎた中央集権なんかもこの際…東京パンデミックで政府が機能停止っていうもの、国家運営上いろいろと問題が大きいのでは。

そうそう、緊急事態宣言はとっくに解除になっているというのに。
アベノマスク、まだ届きませんなぁ。
内閣総辞職した後になるんだろーか。
薬局ではランダムに棚出ししては即完売していたマスクが、終日大量に余っているのが目につくようになってきた。
値崩れが始まるのも時間の問題か。

▼「布マスクの寄贈殺到 量に驚き」
news.yahoo.co.jp
こちらは毎度おなじみアサヒによる報道、ではあるんだが。


マスクと並んで市民生活への直接支援策である10万円の定額給付金の方は、自治体現場には大変不評だったようで。
▼10万円給付 国と自治体に溝
news.yahoo.co.jp

これ以外にもちろん通常業務だってあって、ただでさえ窓口業務に負担がかかっている上に、職員自体も時短勤務になっている役所も多いのに、急遽トップダウンで降ってわいた「全住民を対象に」業務、とか。

どうせ以前の給付金のときのように、札ビラで頬を叩いてやれば国民がいうことを聞く、くらいにしか思われてない感、満載。
ばら撒くだけばら撒いてまた、経済効果の測定はしない、とか。
支給対象者は
「基準日(令和2年4月27日)において住民基本台帳に記録されている者」
だそうだが、今回のコロナ禍で減収、失職しちゃった人たちがまず喫緊の対象だろうに、まだ一度も働いたことのない乳幼児*1や年金暮らしの高齢者までが横並びスタートっていうのももうね、緊急性をいいわけに思考停止しちゃったようにしか見えない「一律」給付。

現場のひっ迫状況を知らないで(知ろうとしないで)指示だけ出すとか、民間会社でいったら「一番タチの悪い上司」じゃん。
「人の上に立つ人間」が、そのことばの影響力に神経を払い、行使するんじゃなく、自分の承認欲求のためだけに使うもんだからもう、やることなすこと小学校の学級会レベルだ。

例えば働き方改革の先進事例たるべき国にしたって、肝心のシステム設計側がこのありさま、らしく。
定額給付金、ネット申請の手続きでエラーが続出のニュース。
書類受理よりも却って手間なので、ネット申請の受付を取りやめちゃった自治体まで続出し始めた。
習志野市もオンライン申請の受付打ち切りだそうだ(6月1日以降)。
こっちももういったい、何のためのオンラインだったんだか…。
もう長いこと、後ろめたいことの説明用ことば遣いしかしてこなかったお役人様の説明がまた、難解なんだなこれが。
公務員試験に合格、採用されたお役人様たちにすれば、理解できない俺たちの方が「水準以下」ということになるんだろうが、アンタら本当に頭がいいんだったら、一周回ってバカになってる(説明能力がない)ってことに早く気づけよ。

紹介されていた自治体の例ではなんと、入力内容の確認は市役所側で担当官が、プリントアウトした(エクセルみたいな)表を使った「手作業」なのだそうで。
導入時何かと鳴り物入りだった「システム」、もしかして、やってる段取り的には単に手書き書類が印字になっただけなんじゃ?
世帯主からの申請かどうか、重複申請してないか、といった確認も、もちろん手作業。
入力者側の単純な誤字入力なんかも含めて、確認作業は13項目にもおよび、却って煩雑を極めているとか。
確認作業のマニュアルすら未整備のまま走り出しちゃった自治体もあって、まだまだ支給ミスは増えそうだ。

何で最初からシステムに組み込んでおかなかったのかねぇ。そのための「電算」システムだろーに。
全員に支給、といっているのにそもそも当事者からの申請待ちという姿勢自体が、全然「プッシュ型」支援じゃないんだが。

「責任は俺が取るから、好きにやれ」
という理想の上司のようなシステム、でもなかったわけだ。

どうせ一律にやるのなら、同じような事態が起こる度に定額給付を悪しき前例として何度も繰り返すよりも、これを機にベーシックインカム導入の議論をした方がいいんじゃね、と実はコロナ以前から思っているんだが。予備費に10兆円とか、二回目をやる気満々な政府ジミントー。
ベーシックインカム導入なら、手続きも通常の所得申告にいくつか項目が増える程度で賄えるだろうから、特別な人材・増員もいらない。毎月ちゃんと支給されれば緊急支援策としても機能するし、何よりも結果的に「安くつく」んじゃないかと思うんだよね。
少なくとも「同一労働 同一賃金」なんていう、誰がどう評価するんだか議論しているうちに結局一歩も進まないお題目を繰り返し唱えているよりも、実効性高いし。
kamosawa.hatenablog.com


これも「新しい生活様式」の一環、だと思うよ。
市民側に一方的に強いるだけのものでなく。

*1:子育て支援的な意味合いはともかく。