基礎練習。

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祝・開幕(?)
最近、活字渇望が高じて他人のTwitterなんかをよく眺めている。
このところのお気に入りは某漫画家さんのもので、「集まってくる人たち」のコメントも秀逸だったりして、密かに羨ましい。
翻って最近の自分の文章って、後ろ向きで面白くないな~と思う。


もしかするとこんなところが、ラジオ投稿してもなかなか採用されない「連敗」記録の要因になっているのかも。
まぁこのブログは最初から個人日記に徹するつもりだったし、俺自身が内に溜め込んでいるとよくない経験や思いを吐き出す場としては大変よく機能しているらしく、今のところ社会人生活に破綻を来さずに済んでいるのもブログのお陰だろう。
何事も飽きっぽかった俺がいつの間にかもう16年も書き続けているわけだが、Twitterクラスの短い文章を考えている分にはそうそう後ろ向きばかりでもなく、文章が長くなっていくにつれていつの間にか「あぁ~」(笑)って内容になっちゃってるらしいことに、最近になって気づいた。

午前中、内科通院。
いつものように待ち時間を「最短」にしたかったので、午前の診療終わりを視野に11時に駆け込んだが、すでに満員立ち席。
なんか今日は一日仕事になりそうな予感、は昨日からしてたんだが。
高齢者が多く、要領を得ない会話から症状を聞き取るだけでも、ひとりひとりの対応に時間がかかっている。
俺の診察直前も電話で「他の病院でもらっている薬を二重に出すわけにはいかないので」という説明に、もう10分もかかっていた。
受付では、これから隣駅まで歩いて帰るという爺さんが、処方箋を行きつけの薬局へFAXしてくれといっている。その処方箋薬局は14時までらしいんだが、事前にFAXしとけば営業時間を過ぎても(自分のためだけに)店を開けておいてくれるだろうから、と繰り返しいっている。当然、事務員さんは半信半疑で…何で自分だけは特別扱いしてもらえると思い込んでる年寄りばかりなんだろう?(内臓疾患じゃなく、何か別の病名がつきそうなもんだが)
病院側もとりわけこのところ、混雑緩和に尽力されているようで、予約制ではないものの診察が終わると次回の来院日カードが渡されるようになったし、こうして診察を待っている間も看護師さんが事前聞き取りをしてくれて、その内容が電子カルテに起こされて診察室から事前に見られるようになっているようだ。
しかしようやく俺の診察になり、先生からお詫びのことばとともに伺ったところによると、昨日が雨だったため、今日に患者が集中してしまったらしい。
診察が終わり、処方箋薬局を出たら14時半を回っており、終了記録を更新した(当然、午前の診療は12時までで、今日は土曜日だから午後休診)。

そして下された血液(再)検査の結果。
尿酸値は内服薬がちゃんと効いており、俺の禁酒の甲斐もあってほぼ標準値へ戻っていた。
要経過観察に逆戻り。
というわけで俺的には(次の血液検査まで)、缶ビール解禁!
天気がいいせいなのか、見るもの、聞くもの、いちいち俺の感受性を刺激してくれる。
こういう風に本人がコントロールできないまま感受性が研ぎ澄まされちゃってるときは、これまでの自身の経験からすると実は、俺のメンタルが割とやられているときだったりする。
アルコールで少し「麻痺」させとくくらいじゃないと、眠れないまま脳がオーバーヒートしてしまう。

長い病院での待ち時間のお陰で、「さよならピアノソナタ」2巻をほぼ読み終えてしまった。
コミカライズは原作小説の1巻部分のみの「再現」であることを後に知り、全5巻を読破したくなってしまったのだ。
こうしていいトシのおっさん、嬉し恥ずかしラノベ・デビュー。
っていうかこれがラノベと呼ばれているジャンルだとは知らないでハマった「沼」。
エセ「海の男」をやっていた数年前、職場の同僚にこの手のマニアを自称する男がいて、担当業務がいつも同じだったので仲良くしてもらったのだが、その時の俺は読んだこともないのに内心、「いいトシして」、と思っていた。
いーねー、ツンデレ*1
テツな俺的には方向音痴女子というのも、割とツボです*2

主人公と同年代の人たちが好んで読む分には、もしかしたら自分の身にもリアルタイムで起こりうるかも、というワクワク感があるのだろうけど、そんなのは何十年も前の話である今の俺は、読み終わると一気に虚脱感に襲われる。
自身が学生時代には大嫌いだった学校行事、同世代の男女が同じ部屋に集められて勉強に励むという異常な環境…もう自分には今後二度と、こんなにワクワクするようなことは起こらないし起こり得ない、と頭のどこかでわかっているはず。
多分どこかでまだ、諦めきれていないんだきっと。
数年前の「海の男」時代の仕事は体力的には相当キツかったはずだが、今となってはその「思い出」はすっかり美しく上書きされていて、(周りに若い女性も多かったので)割とこの手のワクワクのあった毎日だった、気がする。

しかしなんで看護師さん、ラノベ独特のメルヘンチックな挿絵があるページを開いているときに限って俺の横を通る…のだろう。
さすがにちょっと恥ずかしかった。

人と話さないでいる時間が長くなったせいか、気の利いた会話や咄嗟のひとことが出なくなった。
小説の中での登場人物たちの軽妙な会話、というものに憧れる。
だからってリモートしてまで飲み会したいとは思わないし、そんな相手もいない。
酒はおいしく飲むものだという信条は、自身が初めて口にした高校時代から*3変わっていないが、最近はひとり自室で飲んで気持ちよく酔っ払ってパタッと寝る、という飲み方が自己標準になりつつある。
あ、2巻以降がコミカライズされなかったのって、高校生の主人公たちが飲酒するくだりがあったせいなのだろうかもしかして。

今の職場では毎日が「判断」の連続で、本当は咄嗟に適切なことばが俺から出ていればもっと早く片付いたのに、と思わされることも多いだけに、最近の自分がひどくもどかしい。
こういう軽妙な会話というものをしてみたいが、学生時代だったらともかく今の俺にはそれでなくとも年のせいかアタマの回転がついていけない。

自分とは違う考え方、違う価値観の人との日常会話、ひとりで考えていたのではまったく思いつかない想定外の反応、そんな刺激のある生活が、望めば手に入った頃の幸せを思う。
今の俺ならようやく、そういった会話も少しは楽しめるようになっているのかも知れない。
素直に「誰かと居たい」と思える程度にはようやく、高校生並みの自我が芽生えてきたらしい。
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さてと。
これから改めてどこかへ出かけるには、時間がいささか中途半端だ。
しかし部屋に戻りたいという気分でもない、いーい天気。
いつもの近所の公園でようやく昼食。脳に糖分を補給しつつ、この後の過ごし方を考える。
腹が減っては戦はできぬ…名案も思い付かない。

16時からお気に入りのラジオ番組を聴きながら缶ビール、という平日休みの過ごし方が、予定のない週末ひとりのときもなんとなく習い性になってしまっているのだが、せっかくの快晴なのでこれから近場に買い物くらいには出るとしても、16時には間違いなく部屋に戻れない。
というわけで缶ビールは就寝前の楽しみに回す。
予想外の早さで読み終わってしまった小説はこの際、ロスな気分になる前に補充しておきたい(ということはすっかり気に入ったわけか原作)。
某大手古書店(笑)のいくつかの店舗と取り扱い規模、そこへ至るルートを検討する。
在宅勤務が認められるようになった頃から定期券を買うのをやめてしまったので、移動にはいちいち交通費を伴う。
そんな「俺会議」は堂々巡りに陥り、すぐ隣では女子高校生2人が芝生の上にレジャーシートを広げ始めたので、これみよがしにスティックを取り出してあてもなく基礎練習を始めてみる。
演奏予定もないのに練習だけとか、などと思うと気が滅入ってしまうが。
そして何より、練習の段取りも目的も、俺の中ではまだちゃんとまとまっていない。
しかし
「やらないよりは、はるかにマシ」
ということばが不意に頭に浮かぶ。基礎練習ってそもそも、そういうものだ。
久しぶりに我ながら、ポジティブ・シンキング(女子高校生たちのおかげ)。
外出自粛の運動不足に対する気持ちばかりの解消と、こうして続けてさえいればいつかどこかで、尊敬するドラマーの方たちと繋がれるのではないか、気持だけなら繋がっていられるのではないかという俺の、祈りに近いもの。
せっかくなのでスネアを実際に鳴らしてあげたかったが、この紫外線の強さだと楽器を痛めてしまいそうだ。
練習メニュー、ちゃんと自分なりにまとめて持ち歩けるように、今日これからクリアファイルを買っておこう。

30分ほど練習してから、身体を動かすと頭もめぐるようで、ようやく決まった買い出し先に向かうため、最寄り駅のホーム。
人込みを避けて屋根のない一番後ろまで移動したのだが、同じタイミングで改札を入ってきた私服の男子学生。手にしている花束が照れ臭いのか、乗車位置が定まらずさっきからホーム上を、歩を止めることなく移動して却って俺の目についている。
花束ってなんか恥ずかしいよな。わかるわかる。
しかし手にしている花束は墓参用、だったようだが…。

無事に買い物を済ませて帰宅。
本はいずれにしても「1冊100円」レベルの出費だし、それでもせっかく出費するのなら著者に直接収入がある方法で買ってあげたいところだが…なにより中古品はいくら買ってもGDPには計上されないのがよい。
小説中の音のない音楽描写のせいか、歪みまくったギターの音色が聴きたくなった。
しかし、これもなぜか棚から取り出したのは(ギタリストではあるが)Todd Rundgrenの"A Cappella"(1985)で、爆音で鳴らしてみたりする。
当時は最先端だったであろうアナログ機材での特殊録音のせいか、音の抜けがいまいちだったが。名盤です。
昨日、政府の越境自粛令が解けたからか、両隣の部屋ともお留守なのを確認済。
世界ではまだ、貧しい国ほど医療知識も設備も欠いたまま、社会的に弱い立場の人たちから感染が止まっていない。
たとえ経済力にものをいわせて国内だけは鎮静化できたとしても、国際交易を通じて程なく強烈なしっぺ返しをくらうような気もする。
人間で溢れかえってしまったこの地球上で、「いいとこ取り」などあり得ない。

*1:現実だと気苦労多いだけですけどねホント

*2:俺の女性の好みなんて、知って誰得?

*3:お酒は20歳になってから!