ターニングポイント。

アサイチ、旧社屋で朝食を摂りつつ昨日の最終版に目を通す。
やっぱり昨夜は疲れていたらしく、まだ結構抜けがある。
結局、最終工程に着手できたのは15時過ぎからだった。
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気にかかっていた、申し送りのなかった作業内容は、意外とすぐに俺にもわかったが、何せ数が多いので作業自体は思いのほか時間がかかる。
早い段階でマウスを使い慣れた自分のPC用のものに付け替えておいてよかった。それでも同じことを繰り返していると段々、マウスを持つ右手が麻痺してきて、ついにはクリックできなく…(腱鞘炎になりそう)。
どうしてこう、たったこれだけの作業が数段階にもわたるのかねぇマイクロソフト
ファイル名を入れる窓を少し大きくしてくれるだけで、印刷機が次のログを回している間にデータを送ることができたと思うんだが。

休憩時間ごとに進捗状況については口頭でご報告していたのだが、さすがに17時少し前には心配になった上司が俺の様子を見に、旧社屋の方に来られた、のは気づいていたが、ひとことも話しかけられなかった。
俺としても丁度、あと何分で終われるか、という佳境の状況だったのだ。
無神経に声をかけなかったのはお気遣いだったこと、後で告げられた。
お互いのこういう信頼関係で成り立ってるものですよね、うちの部署の仕事って。

というわけで引き渡し用にデータ一式をCD-Rに焼き付けて、16時59分(!)、無事に終了~。

俺は仕事以外の「お誘い」は、会社の忘年会ですら出席したことがない(!)「野良社員」*1なのだが、さすがに今日は上司からのお誘いにのって、ふたりで「仕事納め」の祝杯をあげた。
今回は結果として、当初予定から2日遅れにはなってしまったものの、とても感謝していただいた。
ことばの端々に、他ならぬ俺が直接手を動かしてくれた作業なら、今まで同様今度も大丈夫、という信頼が感じられて、俺としてもとても嬉しく、身が引き締まる。
最悪さらなる延期も覚悟しておられたのは俺にもわかっていたので、俺としてもパニックにはならずに作業を進めることができたのだ。
今回の新人さんの一連の反応について、他部署のヤツらの毎度の無茶振りについて…お互い酔いが進むにつれて、いつもの事務所でふたりきりのとき以上に愚痴大会になってしまった。
休み明けの新人さんが、いったいどういうことばをかけてくるのか(こないのか)、割と楽しみではある。
特段尋ねられない限りこちらからは一切、報告がましいことをするつもりはないが。
とにかくうちの部での担当作業分はこれで、すべて終了しちゃったので。
これで遠方観光地の土産なんか持ってこられたらそれこそ、「空気読めっ」としかいいようがない。
ともかくウチの部署では使えない、ということがはっきりしてしまったので、上司からは「俺はもう手放す」とのこと。
引き取り先がどの部になるのかは知らんが、いずれも我が社が誇る慢性人手不足の、野戦病院のような現業部署で、揉みくちゃにされること必至…俺が知る限りではこのポジションですでに2人、1年以内に辞めている。
人使いが荒いだけじゃなくて、致命的に下手なんだよね。

今回の俺の行動にしても正直なところは、決して仕事に対する責任感からではなかった。
社長や上長からのご指名だったら俺も一旦は、平日休を理由に拒否してただろう(何とも扱い辛い部下だな俺)。
実は仕事に対する責任感って、未だによくわかっていない。
俺自身は人を使う側の立場になったこともないし(というかそう自覚したことがないだけで、実際には使わざるを得ないこともあったかも知れないのだが)。
そんなわけでこの機会に、俺にとって初めての「上司らしい上司」として尊敬申し上げていることを、ことばでご本人にお伝えすることができた。
気の合う上司とこうして、大きな仕事を片付けられたことを互いに労いあう時間って悪くないなぁと、このトシになってようやく気付かされたところだ。
俺は別に、今の仕事が生き甲斐だとも天職だとも思っていない。
作業自体が楽しいわけでも、格別得意なことであるつもりもない。
運よくそういうものが見つかって仕事にできている人たちもいるかも知れないが、俺にとっての現実は概ね8割が雑務だ。
カネのためでも充実した余暇のためでもない。
今回のようにちょっとばかり、そんな「損得勘定」を忘れて手を出してみたら、 実際の仕事の中にこそ全てがあったことに気づく。
運がよければ2割くらいは、新しい発見やより効率のいい方法を見つけることができる喜び、があるかも知れないという可能性。
他人との距離を近づけてくれるもの。絆を強めてくれるもの。
こういう達成感、あの新人さんには今後も決してわかる日が来ないのだろうか。そう思うと自らの枠を踏み出そうとしないことって、人生かなり損をしてる気がする。
かくいう俺自身も、このトシになってまだまだこんな具合に、「育て直し」の渦中だ。
とても愛しい時間。あと何回、こうしてふたりで飲みに行けるのだろうか。

帰りは昨日とほぼ同じ時間帯で、特別遅くなったというほどでもなかった。
お気に入りのラジオ番組、昨日の放送を聞きながらだったのだが、途中駅で偶然にも流れた"Nothing gonna change my love for you"は、自身が歌ったこともあるやさしいメロディで、酔っ払っていたとはいえ不覚にも涙腺が崩壊してしまった…。

*1:まだ社内では誰にも告げていないが、対面飲みは気が向けば行くものの、恐らくHSP気質のおかげでモブ飲みはたいそう気疲れしてしまうことがはっきりしたので、数年前からできる限りお断りすることにしている。