緊急事態になる前に。

年末掃除のついでに、ノートパソコンがこたつ上へ移動。いよいよ「生活破壊兵器」がその破壊力を存分に発揮しだした。
座椅子生活が腰によくないのはわかってるんだが、この誘惑には、勝てる気がしない…。

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もう梅が…季節の移ろいは人間の都合とは無関係。


籠城生活を見越して、年末にDVDを3本借り受けてきた。
そのうちの1本はシリーズものの3作目で、ネット上での下馬評があまり思わしくなかったので、これから見ることにした…なんで泣いてんの、俺?
一見誰の手も煩わせないような「優等生」タイプの方が、なかなか本音が見えずに根が深いってことだなクライマックス。
例によって音楽ものだったわけだが、俺自身が音楽活動経験者なせいか、レビューほどには悪く感じなかった、というかすんなり入り込めてしまったらしい。
頑張るって、何でしょうねホント。
俺は歌い続けてきた結果、何か新しい世界が見えたのか? 見ることができたのか?
どうしても自分の境遇と重ね合わせようとしてしまう、悪い癖。
だがお陰で頭も感情も刺激されまくった(涙活用映画がまた1本増えた、ともいう)。
以来、何度も見返しては、同じシーンでウルウルしている(世界観から抜けられなく…)。
俺のHSP気質とも関係ありそうだが、長期休みだからって何本か借りてきても、結局こーなっちゃうんだよな俺って。一度に何本もの映画を見られる人が、うらやましい。

以前は誰かに先に泣かれちゃうと自身は涙が引っ込んじゃうタイプだったはずなのだが、ここ最近は誰かが泣いているともらい泣きしてしまう。
すっかり涙もろくなったもんだ(気づかないうちにメンタルが不安定になっているのかも知れないが)。

仕事始め

在宅勤務も増えてきて、定期券を買うのをすっかりやめてしまって久しい。途中下車の恩恵には与かれなくなってしまったが、コロナ渦の現状においてはむしろ好都合か。というわけでこの1年弱の間は毎日、ほぼ職場と部屋との直行直帰になってしまった。
仕事始めとなる今朝は、西船橋駅東西線の回数券を買った。乗ろうと思えば余裕でいつもの始発電車に間に合ったのだが、別に数分程度早く出勤したところで何があるわけでもない(というかむしろ休みたい! わけで)。
先に隣のホームに横づけされて発車時間を待っている「次発」に乗ってみることにした。
もしかしたらまだ通常の平日朝よりは空いていたのかも知れないが、途中駅で快速の通過待ちがない便で、いつも乗っている始発電車が次駅の原木中山で通勤快速に抜かれた後の、快速通過の各駅で乗客を拾っていってくれるせいか、車内はいつまでたってもガラガラ。運行時間も、東陽町飯田橋で運転間隔調整するほどの余裕が見られた。
このスジは案外、狙い目かも知れない(コロナ感染症対策としても…しかも必ず座れる)。

社長面談

仕事始めの今日、急遽セッティングされた社長との個別面談。
いやホント、勘弁してください長期連休明けの机上が書類の山なんで(汗)。
実は昨年から他部署を皮切りに順次始まっていて、ウチの課だけが年明けにずれ込んで最後になったらしい。
現場状況のわかってる上司は、なにせ今日の今日だったので反対してくれたらしいが強行された。
というわけでお偉いさんたちの会議が終わった14時過ぎ、急遽応接に呼び込まれた俺は、35分も話し込んでいたらしい。

自席に戻って「思い付きでやったような個別面談の相手に、本音なんか打ち明けるわけないじゃないですか」と上司に感想を漏らすと、「阿仁さんは、オトナだなぁ~」と冷やかされた。
今の俺にとっての「本音」とは、チーフとかミニラとかとの「三竦みネグレクト関係」だったりするわけだが、これほど険悪になっているのに未だに気づいていないんだとすれば、社長としては現場を知らなさすぎ。
先に昨年、面談を終えているはずの、ミニラはともかくまがりなりにもチーフの肩書を持つ人間が一連の面談で問題提起してれば、この機会に社長から俺にひとことくらいはあったはずで、ないのであれば俺からわざわざ申し上げることもない。
このことが全社的に生産効率を下げているのは俺には明らかなのだが、対外的には今のところこれといってトラブルは起きていないし。
わざわざお見せするようなことでもないので、たまに出勤してきたくらいでそういう現場に出くわす機会もなかなかないでしょうね。
まさかたった1度の個人面談で職場の現状全てが把握できるなんて、社長も思われてないでしょうけど。
必要な情報は、ご自身の目と足で集めて回らなければ。ただ待っていたって集まらない。

恐らくこの面談のメインテーマは、緊急事態宣言絡みであとどのくらい、全社的に在宅勤務に切り替えられるかリサーチしてみた、といったところか。
というわけで俺も、昨年来すでに実施中の在宅作業の内容について聞かれた。
「質より量」な入力作業と、職場のわちゃわちゃしている環境ではできる気がしないやや重い「頭を使う仕事」(文書の作成など)を持ち帰るようにしている、と説明。そもそもルーティーンでも他部署との連携が必要だったり、今日の今日対応というものが圧倒的に多いので、「在宅作業をもう1日増やす」というのは俺の場合、無理だと申し上げた。
それよりも、隣の部署を中心とした視覚障害者の方々の在宅作業が、いったいどういうことになっているのかの方が俺は気になっている。
インフラ整備レベルで改善や必要な物事があれば当然、仕事として調達や環境整備に動く気はあるのだが、日頃の人間関係が円滑すぎて(笑)、今のところそういう要望が一切、伝わってこないのだ。

ともかくも毎年恒例の社長訓話が、今年はなかったのはありがたい。

一方で昼前には前社長の奥様が、体調を崩されている前社長に代り、恐らくスタッフへの年頭挨拶にわざわざ見えて、ひとりひとりとことばを交わしていかれた。
人心掌握とは決して尊大にふるまうことなく、かくありたいものだ。

「仕事は自己表現」とはよくいわれるものの、独善的に自己アピールする(スタンドプレー)意味合いばかりでなく、常に他のスタッフの視線を意識した態度をとれるかどうか、ということの方が重要なのではなかろうかと思った(俺がいうなっていう話だが)。

実家へ

政府から正式に緊急事態宣言が出される前に、さすがに一度、実家に顔を出そうと思っていた。
以前は月に1度は寄っていたが、昨年の2月から足を向けられておらず、実は東京の実家には今の職場からの方が近い。
とはいえ状況はご存知の通り全く好転していないので、玄関先で失礼することにして、近所の神社で人が少ない時間帯を見計らって授かってきた干支の土鈴を手土産に。父は今年、年男だ。

しかし、東京都の感染者数増加は思った以上に急速で、出勤してから思いは迷いにかわった。
このまま感染者数が増加し続けたら、今度はいつ行けるようになるかもわからないだろう。
そう思いなおして定時で上がった職場を後に、実家に向かった。
夕方の退勤時間帯なので、バスの利用は避け、あまり使わないルートで各駅停車しか止まらない私鉄の小駅から実家まで歩く。
幼少期の記憶とすっかり様変わりしていても、全く変わらない景色でも、驚いたことに今の俺には何の感慨もわいてこなかった。
身も心もすっかり千葉県民になってしまったらしい。
今の勝手気ままな生活と比べると、思い出の地、というよりは「(親の都合で)住まわされていた土地」に受け止め方が変わってしまったのかも知れない。
駅前に1件だけあるスーパーで、入り口に置いてあるアルコールを借りて両手を消毒させてもらう。
神社脇にあった消防署が一転、更地になっていたのにはびっくりしたが。
毎年家族でお参りしていた実家近くのこの神社にはこの時期まだ、提灯が灯っていた。
照らし出される石段の両側から夜空に伸びる並木はいつの間にかかなりの高さになっており、神々しい。石段の下からだったが帽子を脱いで深々と頭を下げてきた。
しかし、同じルートになった帰り道ではどうしてこう、後ろ髪引かれる気持ちになったのだろう。
父も母も変わりはないようで、本当に短い時間だったが手放しで喜んでくれた。

大江戸線、一部運休

その、実家への途上でも気になっていたのが、駅ホームの電光掲示板で、「都営地下鉄大江戸線:コロナの影響で臨時ダイヤ」の表示。
帰宅してから何のことやらと調べてみたら、俺が想像していた名物都知事の「厳戒態勢」に呼応した動きなどではなく、乗務員(累計37名)が集団感染していたための減便措置だそうだ。

そういえば今夜、関連団体の会議出席予定者だった会長からウチの上司に電話があって、ご高齢のためにいつも訪問をお願いしていたヘルパーさんが陽性になってしまい、ご本人も当然、濃厚接触者に指定されてしまったとか…。今のところは何の症状も出ていないらしいが、PCR検査待ち。

テレビの中の出来事だとばかり思っていたことが、ひたひたと自身の身に忍び寄ってきている、確かな手ごたえ。

夜になって政府の分科会から「首都圏は感染爆発に相当」だそうな。遅い遅い…市民感覚とのズレが酷いな。
昨夜のニュース番組では、歴史小説家の塩野七生さんが、「政治家が国民に『ご協力を』などといっている時点で、自らの責任を放棄している」と、俺と同じ考え。
これで最悪の事態を招いてしまっても、自身の統率力不足じゃなく「国民が協力してくれなかったせい」にできてしまうもんな。

翌日。

今週中に首都圏に対して政府の緊急事態宣言が発令されるかどうか、という時期でもあり、さすがにこの期に及んで我が社だけが感染拡大防止に対して「無対応」、というわけにもいかず、コツ骨サマはかねて念願の「在宅作業」を手に入れた。
確かに現在の担当業務だけみれば、誰が考えても一番支障なく自宅(パソコン)作業に切り替えられるが、元々少ない出勤日数に「在宅」って。しかも着任からそう時間が経っていない上に、他の現場作業をひと通り憶えてくれたわけでもない。持ち帰り作業だけしか引き受けない気満々で、本来ならそんなヤツに今までと同じだけの給料をご用意する余裕が、零細な我が社にあるはずもなく。
取引先への月次振込作業を終えた上司からは、今月も赤字だとのぼやきが漏れていた。
前日に予告していたように、早々と今日から在宅勤務を決め込んで出社せず。何とも堂々としたものだ。
俺が昨日、問われて教えたように在宅申請届を書いて提出し、今度ばかりはさすがに上長ではなくウチの上司に承諾印をもらったらしい。
「いいんですかね?」
とは、さすがに直前での申請になったことに、コツ骨的にも多少の後ろめたさはあったようで…今のウチの上司だから通る話で、他社じゃ絶対にありえないと思う。

その上司からは、政府の(1都3県への)緊急事態宣言発令を明日に控えて、2週間に及ぶ(陽性認定後の)隔離期間を目途に、発生するであろう優先的日常業務のリストと移譲先(案)を作成しておくよう、指示を受ける。

日頃温厚な上司の目がこの話の間だけは、久しぶりに眼光鋭く見えた。
身近な人たちに陽性判定が出たりして、いよいよ目に見える形で事態は切迫してきている。
しかし、俺の業務自体は昨日の社長面談でもお伝えした通り。在宅も現状以上には増やせそうにない。他部署との連絡・調整案件が日常なので、その間の連絡手段に「新しいインフラの導入」でもしない限りは。
そしてそれはもし導入に踏み切ったとすれば、当然使いこなせる人とそうでない人を生むことになる。
俺が後者にならないという保証も、どこにもない。