特別扱い。

某市で、手配できたものの当日キャンセルが出て余ってしまったワクチンを、そのまま廃棄するのはさすがに憚られたので市の職員に打ったところ、「抜け駆け接種」と報じられてしまった。
社会全体で見ると、1分1秒でも早く、1人でも多く、接種を終えた人数が増える方が「国益」であるはずなのだが。
医療関係者の次は高齢者から、という接種順も、専門家が充分に検討を重ねて決めた、医学的根拠のあるものだが、俺個人は未だに(何の根拠もなく)、移動・活動をせざるを得ないエッセンシャル・ワーカーや学生たちから優先接種した方がよかったのではないかと思ってはいる。
ちょっと調べたところでは、実はこの順番だと感染者数は確かに減るかも知れないが、重傷患者(や死亡者)が増えてしまい、医療体制のへの負荷は決して減らないのだそうだ。
これに関しては俺も別に、現状に異議を唱えたいわけでも頑なに自説を主張したいわけでもない。
どうせ「上から」でも「下から」でも、俺達の世代が接種を受けられるようになるのは最終段階だし。
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ここまで自治体単位で進められた接種予約は、全国のほとんどでネットも電話受付もパンクして繋がらず。
銚子市では、ネットも電話も通じないことに業を煮やした高齢者が大挙して市役所に押しかけて本末転倒な事態になってしまったため*1、急遽その場で職員が手作業で予約を進めたという。これが「正規の」手続きで予約を進めようとしてこれに漏れてしまった人たちから「対面で予約ができるということを知らされていなかった」「不公平」との声となり、全ての予約を一旦保留とする大騒動に。
「国の一大事」(というか世界規模の話だ)なのだから、こんなときくらい強権発動、どうせ接種券は郵送したわけだし、そこに接種日時を(住民基本台帳を持っている)役所側で指定印字しておいて、どうしても都合が合わない人だけ「ご連絡ください」にした方が、どう考えても効率的だった。
いくつかの自治体(上越市など)では先進事例として実施されたようだが、実際この方法をとって混乱が発生したとの報道はなく、市民側の大多数も納得できるやり方だということだ。
そもそも(第一次)接種対象者がどのくらいの人数になるのかは、各自治体が一番よくわかっていたはずで、ほぼ全員から一斉に入るであろう予約に備える受付キャパシティなんかそもそも確保できたはずもないのに、ネットに振り分けたら何とかなるのではという皮算用がしかも、ハズレる(こちらもキャパ・オーバーや、まさかのシステムダウン)という最悪の事態。少々見通しが甘すぎた。
厚労省あたりから何か、自治体独自のやり方を認めない具体的な指示でも出ていたのだろうか。

「抜け駆け接種」という言葉遣いで報じたマスコミも含めて、自分が特別扱いされないことにあからさまに不平を言う人が増えた気がする。これまでは何かと自己主張しなさすぎ、といわれる国民性ではあったが、かといって義務を果たさず一方的に権利だけを主張するのは正しい自己主張のあり方とも少し違う。
からしてみれば、何でアンタひとりが特別扱いされると思い込んでんの? っつーか逆に特別扱いされる(べき)理由、伺いたいんですけど、だが。
「晩節を汚す」という言葉もあるが、こんな足の引っ張り合いのようなことをしてまでまだ長生きしたいのか、とも思ってしまう。
そもそも政府や自治体がすっかり及び腰で、ここに関わっている時間や手間自体が社会全体の損失であるはずなのに、こうしたクレーマーに「うっせえ黙れ!」と言えてない。
「上」が何も言ってくれないので、接種会場の案内ボランティアを買ってでてくれた学生には、当日キャンセルが出て余ってしまったワクチンをその場で接種してあげるとかでもいいと思う。なにせ事態は急を要しているから、世代が年齢がなどといっている場合じゃないのだ。
必要なのは「国からの指示待ち」姿勢じゃなく、こういう「俺が責任取るから」で小回りの利く現場判断なんじゃないのか。
そのことに対して「外野」が四の五のいうべき段階ではない。

10~20代の約半数、ほぼテレビ見ず「衝撃的データ」

10~15歳56%(前回2015年は78%、22ポイント減)▽16~19歳47%(同71%、24ポイント減)▽20代51%(同69%、18ポイント減)。いずれも5年で20ポイント前後減った。

https://news.yahoo.co.jp/articles/0c6da78d446d32ce728137bb5bd7e9d4daaafd25news.yahoo.co.jp
首長たちがこの間、テレビ・新聞の取材陣に囲まれて、全国民に伝わってると思って意気揚々と語っていたことばが全然正しく伝わってなかったのは、今回のコロナ騒動でも明白になってしまった。
これじゃ、緊急事態宣言をいくら声高に叫んでも、危機感が伝わらないわけだ。

自らの命を守る行動に関しても、必要な情報を自分から取りに行かなければならないはずなのだが、そうした情報に接する経験なり習慣が作られなかった若者がまた増えたわけで、総白●化に拍車をかけるのではないかと、かなり心配。
今夜も商店街にあるコインパーキングで、男子大学生たちがマスク外して車座になっているのを見かけた。
アルコールは手にしていなかったようだが…違う違う、そーじゃない♪
もっとも、すでにどこかの店で飲んで時短閉店で追い出された感じの赤ら顔と大声ではあった。
別に「ウイルスは酒があるところで好んで増殖する」とかいう学説じゃないはずなんだが。
どうにもやってることが、ちぐはぐで。

近所ではマスクをしてない高齢者をちらほら見かけるようになってきた。
この辺り、県の中では小さい方の自治体なので、思いのほか順調にワクチン接種を終えられた方が増えてきたということなら喜ばしいが、単にマスクが嫌いでもう辛抱ならん、という可能性もあり、傍目には全く見分けがつかない。
接種を終えたんだとすれば、これでご自身は発症しなくなったのかも知れないが、未接種者にうつしてしまう危険性はないのだろうかと、不勉強な俺としてはやや不安になる。
一方で、学生・生徒がその学生生活の思い出を彩るはずだった学校行事や部活動をまだまだ制限されたまま、文句ひとついわずに従っているのに、と思うと、やはりやりきれない感じしかない。
同じようにマスクをしてない若者(40~50代も結構多いみたいだが)にもついつい目がいってしまい、その度に心の中で
「いや~お若いっ。とても(優先接種中の)65歳以上には見えないっ」
とボケてしまう自分が止められない。

*1:俺はさすが漁師の町、と思ってしまったが