寝起き。

朝から隣室の学生がベランダで何やらハンドガンを使っているようなモーターの音で、目が覚める。
カノジョが来るので掃除でもしてるのかと思ったら一気に憂鬱になり、頭が冴えてしまった。
もしかすると掃除ではなく、(プラモデルか何かへの)吹き付け塗装だったかも知れない。その割にはシンナー臭はしなかったが。
昨日*1各戸にチラシが入っていた通り、空き室のリニューアル工事が始まったようで、ほどなく全館に、木造の壁を叩き折る爆音。


そんな俺はいつもの非生産的な、週末の一日。
台風5号は東にコースが逸れて、上陸の恐れなし。
午前中は日が差す時間帯もあって、布団を干そうかとも思ったが、洗濯だけに留めておいた。
ただ、明日からは大雨の予報。そんな中を買い物で外出したくないので、今日のうちに3日分の食材の仕入れを終えてしまうことにする。

その前に。午前の診療時間中に内科に顔を出す。今日は採血検査だけ。
それでも30分ほどかかってしまい、朝食抜きで来ているので腹が減…あれ? ついに無気力から空腹感も感じなくなってきたか。
ともあれ採血(再)検査も終わったし、晴れて缶ビールを買いに、と自身を鼓舞してみるも、これまでのようには今ひとつ気持ち乗り切れない。
明日にもこの世からいなくなっていたい、と思っている人間に、そうそう楽しいとか嬉しいとかいう感情が湧いてくるようなことはない、ということか。

物事は全て、俺の居る次元と異なる場所で起こって、粛々と進行していく。
それでも勇気を奮って手を挙げてみれば、無理なりにまともに向き合って(返事を)もらえたであろう年齢はとっくに過ぎた。
今や「舞台袖」でもなく唯の「観客のひとり」なポジション。
それももう長い事、見たくもない「芝居」ばかりをみせられ続けてきたもんだ。何人の男女が目の前でくっついていったかわからん。
まだしもオッサンが若者に訴求力を持てるのは、稼ぎはともかく、「先達」としてこの社会の中に確固たる居場所や地位を確保している、という安定感なのだと勝手に思っているのだが、今の俺はこれすらあやふやで、いつ足元から消滅するかもわからない。
たった今、何らかの理由で俺がこの世から消えても、プライベートはもちろん仕事関係であっても、俺の存在自体が忘れ去られるのに、恐らく三日とかからないだろう。
こんなに長い時間を生きてきて、何の成果も功績も、爪痕すら残せてなんかいないのだ。
別に「功成り名を遂げたい」、などといった大層な話ではない。
こんなことならアトピーだって今さら、治らなくてもよかったのに。
さぁこれからは体調の心配なく「自分の人生に希望を持て」といわれても余命の方が少ないし、将来生命維持装置に繋がれた状態で生き延びた期間を「余命」に算入されたって本人にとっては全く意味がない。
…どうやら今日は、寝起きがとことん悪かったようだ。


もしかして俺、すでに鬱なのでは?(何度目だよ)
辛うじて「ごはんが美味しくない」だけ、非該当。ごはんはおいしい。
もっとも疑い出せばきりはなく、味覚に明確な線引きができるかといえば怪しいもので、本人は「おいしい」と思っていてももしかしたら所詮、そう思い込もうとしているに過ぎないのかも知れない。
「医者に行け」とか言えるのは、医者に気軽に通えるだけの可処分所得がある人の話。
3食食べることと、雨風をしのぐ睡眠のための家賃確保の方が、俺にとっては優先事項なのよ。
結果、自分の心身がどんなにポンコツになってしまったとしても。
どこか壊れたまま、死んだようにただただ生きながらえていたとしても。
それが憲法で保障されているはずの、「最低限度の健康で文化的な生活」、この国のレベル。
そんな状況である日発作的に「飛び込んじゃった」ら、単なる自然淘汰、自己責任、そして交通情報へのデビュー…。

自粛生活にも、段々嫌気がさしてきている。
もちろん俺だけではないらしく、今日も近所の飲み屋が駐車場に勝手にこさえてしまった「オープンテラス」では、何組もの男女のグループが酔って大声を上げていたし、「不要不急」といったって会いたいヤツには何の躊躇もなく会いに行っちゃってるヤツはいるし、飲みたいヤツらは普段通りにこうして飲んでる。
東京五輪もなし崩し開催が決まったようだし。
俺としてもバカバカしくって、こうやってひとり我慢をしている義理は何もない。
いっそ有給も、なけなしのカネすらも使い切って、パーッと遠出の観光旅行にでも出かけちゃうか久しぶりに。
そもそも五輪競技全般に一片の興味関心もないのにこの時期、感染を恐れながら東京(近郊)で暮らしてるとか、理屈に合わない。
テレビ・ラジオを含めて観戦するつもりは全くない。

実はもう始まっている感染「第五波」。
いよいよδ株(インド変異種)が来るぜ、覚悟はいいかぃ?
三密どころか「一密」でも感染する
ノーマスクの無症状感染者とすれ違っただけでも感染例があるスゴいヤツだ
なんだかワクワクしないか?

あぁ、そうそう。
太宰は生前いつも女性を侍らせていたというから、俺にとっては「敵側」の人間だ(笑)。

*1:また昨日の今日だよ!