土曜日、ストリートピアノ。

久しぶりに足が冷えたせいで、休みの日だというのに5:30(!)には一度、目が覚めてしまった。
もう何年も、だいたい寝起きの思考が前向きなものであったことなどないのだが、無理やり二度寝した今朝の夢は、我ながら近年稀にみる最悪ぶりだった。
途絶えかけてた男女関係を、そうとは知らなかった俺が再び結び付ける役回りになってしまい「デキちゃった婚」。悪いことにオトコの方は既婚者で嫁さん懐妊中だったとゆー…。
結果的に別れることになった元嫁さんの方は個人的に全く存じ上げないのだが、これはもしかして俺、殺したいほど憎まれているのでは? などと、これまで思ったこともなかった感情が、出てくる出てくる夢の中。理性が全く働いていない俺の右脳だけで創り上げた、夢の世界での話ではあるが。
自分の意思を表現することに慣れてない俺のようなヤツが、稀に行動に移しちゃったりするとロクなことにならない、の事例。
こんなことならやっぱり、「やってみて後悔」よりも「やらなくて後悔」の方がなんぼかいい。
まぁもう10年以上前の話なんだが。どうやら俺だけ、時間が止まったままになっている。
8:30にはこの堂々巡りに耐え切れなくなり、身体を起こしてしまった。寝ざめ最悪な気分。
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今日は、先日偶然知ったフルルガーデン八千代で週末不定期に始められたストリートピアノの「偵察」に行くつもり。
11時の演奏開始時間に間に合うように行くつもりだったが、洗濯だ布団干しだとやっていたら、勝田台駅に降り立った時点で丁度11時。
無料シャトルバスが廃止されてしまったので、駅から歩くと俺の足でも20分程かかる。
まぁ厳格なイベントでもなし、時間通りに現地にいなければならないこともあるまい。
ということで、以前から地図を見てて気になっていた「黒沢池」に、まずは散歩がてら寄っていくことにした…のだが、残念ながら往路では発見できず(地図はちゃんと、持ち歩きましょう)。
それでもデジカメ片手に、葉がすっかり黄色くなったイチョウ並木を歩き、それなりに楽しい道中になった。
思い出の「トレインカフェ」だった都電の保存車両は現存しているが、その裏手の森と畑にはマンションを高々と建設中。
この辺りの景色も、変わるな。
すぐ並びにヨークマート、駅まで行けば京成リブレ、反対側に同じくらい歩けばフルルガーデンと、確かに意外と暮らしやすいかも知れない、この界隈。

ヨーカドーはこのコロナ禍の中、店内を全面改装しており、フードコートは(全域がスタバのような)こ洒落た感じになっていた。フードコート自体は少ない人数で賑わいを見せる造りのためか却ってせせこましくなっており、俺にはなんだか天井が低くなったようで居心地が悪くなった。
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そのフードコート脇に、ストリートピアノはすぐに見つかった。
公式にアナウンスされてはいないが13時まで、恐らく張り付きの担当者が昼休みを取るらしい。備え付けの名簿をのぞくとまばらながらも数名、子どもの名前ばかりが並んでいた。
元々、あまり期待してはいなかったが。
さすがに「よ〇ぃ」さんレベルの人たちが続々と、という展開はなかっただろうが、ストリートピアノといえば俺は船橋しか知らないので、てっきり(吹奏楽が盛んな土地柄からも)オトナ(か学生)が戯れに弾いているレベルかと思っていたのだが…近所のピアノ教室に通わせてます、っていう感じの若い親が、小学校低学年くらいの子どもの手を引いて連れてきて、ほぼ無理やりに弾かせてる、という、俺にはやや予想外の展開。

このコロナ禍で大幅に営業を制限されてしまった地域の飲食店、福祉施設の食材を集めて売っているらしい「わくわく広場」という区画で弁当を買い、運よくピアノに一番近い2人掛けのテーブルに陣取ることができた昼食。
改めて落ち着いて「偵察」すると、店内BGMは流れたままで、満席に見える休日昼過ぎのテーブル席からの喧騒と、時折響くエスプレッソマシン、食器の音…丁度男の子が悪戯に打楽器扱いしていたピアノの生音は、全く客席まで細かいニュアンスが届くような演奏環境ではなかった。
全ての演奏枠(ひとり5分)がうまっている、などということも残念ながら起こり得ず、ときおり思い出したように演奏が始まってみると、それでも中学や高校に進んで吹奏楽で全国大会、という土地柄だからかどうか、さすがに英才教育はそれなりに行き届いているらしく、指はすでに俺よりも動く感じな子どもたち。
足はもちろんペダルにすら届かない小さな体格の女の子が、すでに客目線を意識しててプロ顔負けに上体を揺らして弾いてたりするおませぶりは、末恐ろしいな。
いっそ子どもに混じって若い親が、「昔取った杵柄」で披露したりしてくれないだろうか、などと淡い期待を抱いて、1時間ほどかけてゆっくり昼食を摂りながら見ていたが、そういうことはなく…まさか年齢制限あるの?
デブ(健康診断で3kg肥えてた)でハゲ(三分刈り)でヤニ臭さ(たばこは吸わないので主に加齢臭)漂わせたオッサン(俺)がツイっと出て行って、全く不似合いの「サロン派」的なクラシック曲をさらっと弾いて見せれば、もしかしてこいつらのトラウマくらいにはなれただろうか。
とはいえせっかく設置したピアノが鳴っていない時間の方が長いの、もったいないな。
まぁ建物内だし仕方ないが、いわゆる「ストリートピアノ」としては、ちょっと弾いてみたい、という人間には管理、というか「名簿記名式」は、ハードルが高過ぎる。

フルル内の書店はなんと八重洲ブックセンターで、地図を立ち読みさせてもらい、改めて黒沢池の位置を確認。
地図で確認した段階で嫌ーな予感はしたのだが、帰りに今度は迷わず現地に足を運んでみると、東葉高速鉄道の高架線がみごとに池の真ん中を横切っている。
線路はこの池の先、土手に突っ込む形でトンネルに入ると東葉勝田台駅へ向かっており、まぁ工費はかかってしまうが池の手前でトンネルに出来なかったんだろうか(地形的にも無理があるか)。
俺にとっては鎌ヶ谷大仏に続く、千葉の「がっかり史跡」になった。
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夜、入浴中に読んだコミック『ロッキンユー』の2巻にあった、「青春のはしか」ということばにやられる。
ここ最近はラノベにしろコミックにしろ、バンド物を好んで読んでいるが、これまで一緒にバンドをやってきたヤツらが今、これらを偶然手に取ったとして、俺のこの感動を共有できる感受性が残っているヤツはもしかしたらひとりもいない気がする孤独感。
みんな、仕事だ妻(または旦那)だ子どもだと、フィクションでなく現実世界の「NEXTステージ」で、もっと有意義な「物語」の中に暮らしてるに違いない。

今日は一日、気づけばなんだか過去のことを思い出してばかりだ。