ふたたびの、外出自粛。

早朝、沿線火災でいつも利用している路線が不通。
コロナ前からもう何年も続いている時差(早朝)出勤のお陰で、これまでは人身事故や信号故障、お客様トラブルといった理由での遅延・不通に巻き込まれることはほぼ皆無だったのだが、自然災害と沿線火災ばかりは致し方ない。
そうとは知らずに駅まで行ってしまい、徒歩連絡も含めて咄嗟にいくつかの迂回ルートを頭の中で組み立てたが、どうせ振替輸送(で交通費がかからない)なのだからと一番無難なルートを取ったら通常運行を続けている乗り換え先の地下鉄では、いつも乗る電車に余裕で間に合ってしまった。
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乗り換え駅で、ひとつしかない有人改札で俺の横に並んだヤツがいて、なぜかそいつの後ろに列が延びたお陰で俺が取り残される、という腹立たしい事態はあったが。
まぁ別に急ぐ理由もなかったし、時節柄自ら「密」に飛び込んでいくような行為を取るのもバカバカしいのでやり過ごした。
使い慣れない乗換駅では、あわよくば直通電車にずっと座って行けないかと思って時刻表を探したが、ホーム上には全く見当たらない。
…どうやらJR千葉支社管内では、スマホを持っていない人は「客」とはいわなくなったらしい。
日頃から気になってはいたのだが、県内在住が長くなったとはいえ、例えば「佐倉」と「佐原」の区別がつかない俺のような人間にとって、県内の主だった駅でも路線図すら見当たらないというのは何だかな。
実際この手の案内サービスが酷いもので。当該路線の「停車駅一覧」ばかりホーム上に何枚掲示されてても、こういうときには全く役に立たない。
利用者側の立場に立った「案内」を考えられる人材がいないらしいのだ。

それにつけても、電車の中で咳やクシャミをしている人が増えた気がする。
遅れや不通とは無関係だったはずのいつもの電車の車内は、とりわけいつもより混雑しているということもなかったが。
途中駅から隣に座ったサラリーマンがずっと咳をしており、本人(周りからいい顔をされないという)自覚はあったようで、降りるまでずっと、身体を前に折って下を向いたままで、この姿勢のままだとさすがに手持無沙汰なのか、ずっとスマホでゲームをやっていた(俺にはフリ、に見えた)。下車駅まで、背もたれを使うことはついに一度もなかった。

今日はなぜかコツ骨サマが出勤していた。多分、明日を休みにするつもりなんだろう。
今や誰がこいつの勤怠管理をしているのかは知らんが。
火曜日の作業室では、他の職員の目がない状況で、
「阿仁さんって上長からの仕事、断ったことあります?」
と聞かれたのには、うっかり笑いそうになってしまった。
まさに今、全社的にコイツの仕事の断り方が問題視されているというのに、本人全く自覚がないわけか。
「そりゃ、あるよ。断り方は考えるけどね」
と返すと、
「あまりにも急だったり無茶振りが多いので」
という。
「それはあなたの『主観』でしょ。説得や交渉材料にはならないよね」
と返しといたが、果たしてどの程度伝わっているのやら俺の真意。
ここはなにせ(アンタの異動先も)「現場」なんだし、そりゃー何もかも予定通りにはいかないでしょ。
今の上長が采配者として適任かどうかは別にしても。
人間的に「ソリが合わない」ヤツなんていくらでもいるけど、それでも「この人が担当しているんだから任せておけば大丈夫」、というのが日頃の信頼関係なわけでね。

そんな日の帰宅。
豆腐を(安く)買おうと近所のスーパーに寄ったら、全ての窓にブラインドが降りていて店内に入れない。
あ、これはやらかしたか…。
と思ったら予想通り。「店員から感染者」の貼り紙。
店内に明かりはついていたが、商品は(生鮮食料品も含めて)棚に陳列されたまま、時間が止まったようになっていて、ひと気のない店内で白い防護服の人たちが何やら消毒作業をしている、「異世界」な光景。
いやー、今日は一日の始まりからイレギュラーだっただけに、帰り着いたらコレは、「急に来た」感がハンパないわ。

先週金曜の退勤時に、日頃は冷静沈着なパートのオジサンが我が社の"ジャバ・ザ・ハット"(隣の部署の女上司)相手に、今後ひとりでも職場から感染者が出た場合の危機感と対策の必要性について、熱っぽく訴えていた気持ちが、少しわかったような気がした。
そうは言ってなかったが、お住いの地域でこれと似たようなことを目にしたのに違いない。
現状のままだと確かに、最大2週間の事業所封鎖になりかねないよな。
「来週火曜日に社長が出勤するから、そのときに直接話す」
と、その場は当たり障りのない返しをしていたようだが"ジャバ・ザ・ハット"。
そうそう、アンタ経営責任のある現職の役員だったよな(そんな他人事発言でいいのか?)。
本当に事務所が職場クラスター認定されて、アンタのカワイイ部下達がひとり残らず出入り禁止になったら、運よくアンタが感染を免れてたとしても、いつものように上段に構えた指示を出しても、従って動いてくれる相手がいないよどうする?
俺の極私的な予想では、最初に持ち込むのもまた、第五波のときに持ち込んだ「ツートップ」のどちらかだと思うけどな。
そして巷間言われているように感染力がデルタ株の3倍だとすると、濃厚接触者も前回の3倍、ということになりかねない。
もっともすでに保健所は、濃厚接触者認定にまで手が回っていないようだが。

この状況で不安になってない人なんて、恐らくひとりもいない。
思いつくところでは、俺自身は風邪の症状すらないのに、明朝いつも通りに起きてみたら発熱してた、っていうことだって充分にあり得る。
そう想像すると部屋の中で、目につく限りのところをその場でちまちまと片付けてみちゃってたりして(笑)。
ともかく。
顔なじみの店員さんたちに、くれぐれも大事ありませんように。

道一本挟んでいつもと変わらぬ賑わいの、大きい方のスーパーに入ると、店内で華やかな制服に身を包んだレジ打ちのお姉さんたち。内心さぞかし不安だろうなぁと勝手に思ったりする。
接客業って、やっぱり大変だよなぁ。
それに比べれば俺たち事務職はこの時期、直接外部の人間と会いたくなければメールでも電話でもいいわけで。
あ、豆腐買ってくるの忘れた…思った以上に動揺してたらしい。

名古屋の知人の音楽事務所が手がけたイベントは、予定通り15日に、規模縮小ながら無事開催されたとの一報がブログにあった。後日報によると、この規模縮小は主催者側の都合ではなく、前日までに出演者側のキャンセルが相次いだためだったようだ。
実施する方も決して強行開催などしようとするようなことはないだろうが、出演者側にしてもただでさえ演奏機会が激減しているこの時期だっただけに、どちらもさぞかし断腸の思いだったに違いない。

その全国の新規感染者数は今日41,485人と、初の4万人超え。
東京都で7,377人と、第五波での5,000人台を超えてこちらも過去最多。千葉県では1,605人とほぼ横ばいだったが。
案の定、学校や保育園、部活動などでのクラスターが多いという報道。オミクロン株の特性というよりは、ワクチン接種が後回しにされてきた比較的若い世代が感染の中心、という印象だ。
ただでさえ活動的な世代で、同世代で集合しやすい環境(学校)だし、そのまま各家庭に持ち込めば確実に家庭内感染にもなる。

向こう2週間を目途に(東京都で)1万7千~2万人というところで、ピークアウトするのではないか、との専門家の予測は、どこで目にしたんだっけ。
状況は刻々と変わるので、現時点でのこの見通しがこの先も有効かどうかはわからないが。
ともかく自身に課す外出制限をワンランク上に設定し直すとするか。
予めゴール設定しとかないと、頂上が見えない登山と同様辛くなるだけだから。

例えば生活習慣そのものは劇的に変えられないまでも、「我慢している」とか「何もできない」と消極的に捉えるのではなく、あくまでも主体的にやってることと捉えなおして、一歩も部屋から出ない週末はさながら、
自室にいながらのキャンプ生活(いっそベランダにテントでも張ってみるか)か、
あるいは(本当に完遂できるものかという)リアル・ゲーム感覚。
はたまた(陽性判明後のための)リハーサル?
例えば食料の買い出しを2日に1回に減らすことができれば、「感染する確率は半減」(何の科学的根拠もないが)とか、そういう自分なりの「事例」を積み上げていってでも、自身を鼓舞していくしかないんだよな、多分。
平日は感染の危険に怯えながら満員電車だし。
プライベートで週末逢わなきゃならない人なんてどうせ、ここ数年ひとりもおらんし。

買い物を終えて部屋に戻る途中、地下連絡道をじゃれあいながら歩く女子高生ふたりとすれ違う。
気軽に誘い逢える友達がいる人たちにとっては、楽しい週末。
逆に思うように逢えなくなれば、さぞかし辛かろう。
そういうツラさは友達のいない今の俺には一片もないのだから、不幸中の幸い。
どこまで独りにしたら、自分という人間が壊れるのかの実験中、という気もする。
すでに壊れちゃってるのを、本人だけが気づいていないのかも知れないが。