自分たちの演奏が終ると、お客さんで満席の店内を出て、店の入り口にまいたけさんが用意してくださった簡易ベンチに座って、ビールケースをテーブル代わりに、肴にビール。そんな「縁側」気分がとても居心地よく、こうして埼玉の夜は更けていくのだった。文字通りウクレレ一本で周辺の店を回っているまいたけさんからは、年の近いお店のオーナー同士でネットワークができているなど、ご自身も生まれ育ったこの街にかける愛着がひしひしと伝わってくるお話をいくつも伺った。なるほど、先ほどのお客さんたちの、質の高さと関係がありそうだ。
俺のような他所者には、一見すると殺風景とも見える夜の関東平野の光景、意外なところに音楽の「炎」が息吹いているものだな、という思い。

遠くから打ち上げ花火の音だけが、もう小一時間ほど聞こえている。
気になって、音のする方へ少し、店の前のバス通りを歩いてみた。どこまでもまっすぐに見える通りの、右側の森の茂みが途切れるところで、ついにでっかい花火を目撃・・・と思ったら丁度21:00。どうやら今のが最後の一発だったか。今夜は東京湾の花火大会。こんな遠方から見えたということらしい。今年の花火がこれだけじゃ、あまりに寂しいぜ。来週どこかでやってないかな。