台風9号の月曜日。

台風9号が関東を直撃、通勤の足を奪われるのを警戒して、5:30起床。
俺もすっかり、小心者な勤労小国民だ。
…しかしすっかり、空振り(少なくとも朝の通勤時間帯では)。
悪いが今日は格好よりも安全第一、多少濡れてもいいようにカーゴパンツ、長靴の出で立ち。
鞄は通常だが中身は業務ファイルではなく、スニーカー、靴下、手拭いといった覚悟の装備。
ラジオと懐中電灯はいつも、鞄の中に入っている。

早く着いちゃった地下鉄駅ホームのベンチで1時間ほど仮眠。どうせこの時間に行っても、鍵が開いていない事務所。俺は鍵を持っていない。
いつもの出勤時間になり、ちょっとワクワクしつつ地下鉄の階段を上がると見えた景色は、ただの(弱い)雨だった。

しかしヒヤッとしたのは午前中、会社の玄関前排水溝が落ち葉で詰まっていたことで、あと少し俺が気づくのが遅れてたら床下浸水だった、かも知れない。
元々夏期休暇な職員に加えて、数人からは出勤断念の連絡が入る。
それ以外は心なしかいつもよりも静かな仕事場で、さすがに電話も鳴らず、クーラーの効いた事務所の中で「通常直」態勢。

暇だ(眠い)。

台風9号は昼過ぎに館山に上陸したらしいが、しかし今のところ、俺の周囲ではただの雨の一日。
まぁた気象庁ったら、「オオカミが出た」になってやしないか、などと不謹慎なことを思っていたが、ネット上の情報では、首都圏の西南側での被害が結構酷いらしい。

京葉線は昼からいち早く、全線不通…「海」のかつての同僚たちは、どうしているだろうか。

同じく海側を走る地下鉄・東西線は、中央線内での夜間作業遅れによる遅延からようやく復旧したかと思いきや、「行徳駅での飛来物」を契機に快速運転とJR線への乗り入れを中止。もっともメトロは現場の人たちも乗客も(多くはJR線側の都合でしばしば)こういう「打ち切り」運行に慣れてるから、まぁちゃんと動いてさえいてくれれば、現場で混乱は起るまい。
なぜか振替輸送先に含まれている西武線では、武蔵大和で電柱が傾いたらしく、現場に立ち往生中の「新101ワンマン車」に、土砂が流れ込んで片輪脱線、復旧の目処が立たないという。うっそうとした切り通し区間が東京らしくなく、俺も高校時代から好んでよく乗りに行った区間だが、総じて景色がいい区間というのは自然災害の危険と表裏一体の関係だったりする。

地元・京成線は、本線の末端(八千代台〜成田空港・東成田・芝山千代田)と北総線側(印旛日本医大〜成田空港)で不通、スカイライナーも全便運休。
探し当てた京成線ユーザーのツイッターによると、特急系統は津田沼止まり、各駅停車は大和田折り返しでの運行になっており、快速は全便運休。各主要駅は成田空港にたどり着けない人であふれている、とか。日頃から大きなトランクを引きずっている乗客が多く、その光景を想像しただけで憂鬱、こちらは無事に帰れるのか、かなり不安になる。
成田空港でも14時過ぎに管制官が、規制値を超えた強風のため管制塔から引き揚げ。滑走路閉鎖中だとか。
意外なことには夕方まで無事だった山手線は、15時過ぎに原宿での倒木により一時不通。それでも内回りはすぐに運行再開にこぎつけている。と思ったら19時運転再開の報。下手に電車を動かしたところで、乗客で溢れ返ってしまったか?

定時に退勤。
この時間帯でも、大和田止まりの普通電車しか走っていないようで、いつもよりやや混雑していたものの、タイミングよく待たされなかった京成線で帰宅。
途中駅から乗ってきた団体さんは、「地球の裏側あたりの国」の女性たちで、オバサンがつるむと騒がしいのは万国共通。茶褐色の肌に、なぜか全員揃って、ビア樽から手足が生えているような体型(失礼!)。
そういえばリオリオって、いったいなんだったんですか?
報道も含めて全く見なかったな、今回も。
むしろ通常番組が休止になってしまい、毎日の生活情報の入手が不便だったことくらい。
そういえば4年後の東京でも、今よりは確実に気候変動が進んでいて、バカデカイ台風が直撃しない保障はないな。
などと不埒なことを考えたせいか、部屋に戻ると玄関の電気がつかない。なぜかブレーカーが落ちていた。
これが今回の台風の、被害といえば唯一の、被害。
道中でも特に強風にあおられたという印象もなく、ツイてただけか(なんだかひとり、国民的催事に参加させてもらえなかったみたいでちょっと…)。
そして10号が来週、四国のはるか南岸から「Uターン」という荒技を披露してくれる、らしい。