帰省?

仕事は今日から年末年始休みに入った。
新型コロナウイルスの新規感染者数はまだ低水準で落ち着いているということで、今年は恒例「民族大移動」がどうやら各所で実施されそうな気配だ。
というわけで、本格的な民族大移動が始まる前に、実家へ。といっても都内ですけど。
いいトシしてまだ反抗期中なので(本当は年老いた両親が万が一にも感染した場合の「原因」にはなりたくないので)、今回も玄関先だけで失礼するつもり。
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その実家への手土産を物色しに、近所ではテレビ番組でもよく取り上げられる洋菓子店まで久しぶりに足を延ばした。
途中、スーパーの前では駐車場から出てきた軽自動車が、珍しく俺という歩行者を目にしながら止まろうとしなかった。
運転手は、高齢男性。
この出入口で一時停止してくれない自家用車は実は初めて。日頃はみなさん、とても行儀のいい運転をする方ばかりなのだが。

洋菓子店はすでに店の前の駐車スペースが満車なほどの賑わい。車道に駐車待ちの自家用車の列が伸びている。
この交通整理には今日は高齢男性が2名出ている(いつもは1名)。
俺が歩道を横切っているのに、せっかちにも1台入庫誘導しようとしやがった。
交通法規上、前方注視はあくまでも運転手の責任、ではあるが。
ややイラッとしつつ歩を進めて、改めて店の方に目をやると、こちらも当然、駐車場と同じく店外まで伸びる人の大行列。
店内も「三密」状態になっている気がするし、先ほどのやや腹立たしい件もあったので、さっさと諦めてスーパーのサービスカウンターへと踵を返した。
結局、実家への手土産は、ここ数日アタリをつけておいた中のひとつ、栗饅頭にした。微力ながらも、県内観光関連業への支援。

それから郵便局へ立ち寄り、代引き荷物の引き取り。
郵便窓口では迂闊に大声で名乗りたくもないので、最初に「代引きの引き取り」という用件を告げるとともに手渡しといたはずの保険証、コピーを取るために改めて提示を求められて、相変わらず段取りが悪い感じ。

これらの「家事」を慌ただしく済ますと12:30頃、ようやく実家へ向かう電車に乗った。
途中駅で乗り換えた始発の各停車内で、業務無線の第一報。「中央・総武緩行線は人身事故で不通」の声。
さてどうしたものかと思っていたが、今日はまだ平日ダイヤで、中央線では並行して走る快速電車が平常運行だったので、俺の道中には全く影響はなかった。
速度を落して駅を通過して行った下り特急「あずさ」号は、満席。帰省ラッシュは確かに始まっているようだ。
同様に休みに入ったせいか、ダラダラと一日中混雑している井の頭線に乗り換える。
この辺りも、民度下がったよなぁ。
「暮らしやすい街」などという、誰がどういう指標で判断したのかもわからないイメージだけが先行してしまい、軽率に移り住んで来る人ばかりが増えると、軽率な人たちの密度も上がる。これではお互いに暮らしやすいわけがない。
途中駅で降りると、エレベーターの前には同じ電車から下車した年寄りばかりで、ちょっとした「群衆」ができている。
日頃から意識して階段くらい使わないと、すぐに衰えるぞ筋力。

実家の玄関先では1時間程、家族と顔を合わせることができた。
父は、すっかり使わなくなった実家用の俺の湯呑に緑茶を淹れて待っててくれた。
認知症が始まっている母は足を引きずっており、かなり痛々しい。会話では今のところ、特に問題を感じなかったが。

互いの近況、というよりも俺が一方的に職場の愚痴を話していただけ、のようになってしまった。
先日の父からのメールもそうだったが、親に「仕事、大変だな」となにげなく一言を言ってもらえるのは、自分も社会の一員として認めてもらえたようで、なんだか嬉しい。
実は前の上司から仕事を干されていたときのようなメンタル的なしんどさは、今は全くないのだが。
士業のように、「誰のために、何を」というのが(本人的に)明確でなかったり、世間的にも具体的に説明できないのが辛いといえば辛い。
ただただ変わらない毎日が、今年も淡々と過ぎていく(世界中がコロナ渦中の現在、これはこれだけでもかなり幸運なことと言わざるを得ないが)。
俺自身が自覚しているのは、高望みしなかった分、自分が本当に何がしたいかもわからないまま何者にもなり切れず、ここに至るまでの明確な「物語」もなければ、ただただ長生きしすぎちゃった感だけ。
このまま変わらず誰かのために生きられない日々だったら、俺の「予定」では30歳代で終えているつもりだったのだ人生。
仮に「あなたはあと100年生きられる」と告げられても、だったらあれもやりたい、これもやりたい、などというものは残念ながら今の俺には何ひとつ持ち合わせがない。

先日の恩師の訃報の話をした際、
「それって、跡を継いでほしかったのでは?」
と妹に指摘されて、ドキッとした。
その着想は、俺には今まで全くないものだった。

いつものように後ろ髪ひかれつつ、「暗くなる前に」と言い残して、千葉に向かう。

復路は偶然「時短勤務時代」によく乗っていた電車に、手前(実家寄り)の駅から乗っていた。総武線のダイヤは平常に戻っていたわけだ。
猛烈に「家族の風景」(ハナレグミ)が聞きたい気分になっていたが、今日のWalkmanには入れていなかった。
母が持たせてくれた正月料理は、写真を撮ってから冷蔵庫に入れておくことにしよう。

hana-uta

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東京都では76人の新規感染者を記録。もう12日連続で前週の同じ曜日を上回っているらしい。
全国集計でも502人と、10月頃以来の数字。やっぱりじわじわと、感染者が増えてきている感じ。
この年末年始休みでのオミクロン株「封じ込め」は、どうやら初手から先行き難航の兆し。
市中感染が疑われてからのこの週末の感染者増加率に注視していたのだが、オミクロン株が関与しているものだとしても、今のところは世界各国で起こっているような、感染者急増カーブを描くには至っていないようだ。
しかし俺はこの仕事休みの期間中、人と会う予定はないし公共交通機関を使った外出もしない、初詣も控えるつもりでいる。
いや、ついに今年の俺にはそういう友達がひとりもいなくなっただけだが(><)

というわけで数少ない読者のみなさま、今年も極私的な愚痴にお付き合いいただきありがとうございました。
よいお年を。
まだまだくれぐれも、ご安全に。