秩父市街地


バスは終点・西武秩父駅まで乗り通さずに、秩父駅で途中下車して、すっかり暗くなった秩父の街を、ブラブラ散歩。

地場産センター(秩父鉄道秩父駅の駅ビル)は、リニューアルした西武秩父駅に比べると古色然としているが、俺にはこの、昭和然とした雰囲気の方がなんだか落ち着ける。

その名の通り、地場産の農産物はこちらの方が、同じものでも価格帯や分量が違うものがおいてあって品数豊富なイメージ。棚色は地味に映ってしまうのが難だが…。
祭の湯になる前の西武秩父駅も、「仲見世通り」と称して乗り換え通路の両脇に土産物屋が並ぶつくりが、いかにも昭和っぽかった。
そういえば地場産センターの売店ではフィルムを売っていたのには、ちょっと驚いた(外国人観光客向け、かも知れない)。
その中で俺の目を引いたのは、絹布でつくったランチョンマット。値段もお手ごろで、青が派手でも地味でもなく、いい感じ。C-58のプレート型文鎮も、ずっしりくる重さと鉄の質感がいいなぁ。
楽しく迷っているうちに17:30の閉館時間になってしまう。

秩父神社は山門が閉じられ、境内にいた善男善女が出てくるところ。
一旦県道73号側へ出て、西武秩父駅方向へ。

かなり以前に廃館になった「秩父国際劇場」、その看板もそのままに、映画館の建物をそのまま利用したイタリア料理店。改めてお品書きを眺めてみたところ、恵まれたロケーションにも関わらず、割とリーズナブルにピザや生ハム、お酒が楽しめそうだ。次は夕食込みでここに寄ってみようかなぁ。
初めてこの辺りを散歩したときにはこの建物、もちろん廃館になった当時のまま放置されていて、打ちっぱなしのコンクリのような色だったと記憶している。余所者ながらに、このまま解体しちゃうのはもったいないなぁと思ったものだった。
先日偶然テレビで拝見したところ、町おこしの成功事例としてこの建物の再利用だけでなく、ナイトバザーや商店街独自のお祭りなど、それこそアニメの聖地探訪ツアーなども含めた多角的な仕掛けとして紹介されていた。街灯一本の設置にいたるまで、町の景観にいたるところまで細かい工夫が凝らされているのが見てとれる。


来週末にはいよいよ、冬の勇壮な一大イベント、「秩父夜祭」を控えて準備に余念がなく、今はむしろ嵐の前の静けさ、といったところか。
俺の興味は既に、帰りの電車内で楽しむ「味噌ポテト」と缶ビールの入手方法へと。
知々夫ブランド館の角を入って馬場町商店街へ入ったら、ほどなくスーパー・ベルクの前に出た。
食品売り場を覗くと、焼き鳥なんかの売り場に、あったあったよ味噌ポテト! 一本98円。
西武秩父駅ではあったかいものが確か一本200円だった。
勢いで2本と、缶ビールを買って調達終了。

っつーか、「プリン体ゼロ」のビールを入手するために、駅の売店ではなくわざわざスーパーまで足を運んだはずだったのだが…(写真のビールは、どう見ても)。
足裏の痛さがもはや滑液包炎や歩きすぎによるものなどではなく、高尿酸値血症によるものであるのは明白なんだな、これが。


目の前で18時33分発に置いていかれ(というかあの長い階段と連絡通路を走る気力、なし)、次はなんと19時15分までない。
今日は俺の知る限り人出が多目だったようなので、独り身の身軽さで、元々16〜17時あたりの帰宅ピークは避けて帰ろうと思ってはいたが…ちょっとゆっくりしすぎたかも。



駅には入線時刻表もあり、18:50とかなり早めの入線、顕著に長い折り返し時間。
駅周辺を少しブラブラしていたら時間になり、既にホームに停車していた。
ありがたい。早々に車内に転がり込んで独り身クラブはウチアゲ酒宴だ。もちろんつまみは、先ほどベルクで入手した小昼飯*1「味噌ポテト」。

発車したのは覚えているが、「ここさけ」サントラのやさしい調べをヘッドフォンで聞きながら、窓脇に掛けたジャンパーを枕代わりに寄り掛かっていたら、うつらうつら。
抑速ブレーキ*2のけたたましいモーター音の響きも心地よい子守唄に、電車はどんどん山を下っていく。
正丸を越えた辺りでほどよく酔っ払って記憶がなくなり、次に起きたら東飯能まで来ていた。

*1:こじゅうはん。秩父地方では工房や畑仕事の合間に摂る軽食のことをこう呼ぶ。今でいうB級グルメ

*2:車でいうところの、エンジンブレーキ