今回も、最初から最後まで、ほぼ全てのバンドの演奏を楽しんだ。
音源審査があることもあり、演奏内容は全く安心のレベルで、どのバンドもお客さんを巻き込んでの演奏に工夫を凝らしていて、また実に手馴れている感じ。
ただ、今年は出演バンドをある程度一新したらしく、出演年齢層も相当若返った(実際、ウチが最年長だったらしい)。
学生バンドだと、当然練習するにしても時間が社会人よりは自由なので、単なるコピーバンドでも、そのレベルはかなり高い。情報も今はネットを中心にたくさんあるので、俺たちが学生だった頃にやっていた宴会芸レベルとは比べ物にならないほどの質がある。けれどコピー元(ネタ)だっていつまでも潤沢、とはいかないだろうし、メンバーの中には音楽性が違ってくることもあるだろう。彼らがこの先、3年、5年とこの活動を続けていくと、早晩行き詰るんじゃないかと、オジさんは思うのだった。始めるきっかけは俺たちでもそんなもんだったが、それだけがアカペラの楽しみ方ではない、ということにも早く気づいて、その「外の、もっと広い世界」に次の一歩を踏み出して、そしてできる限り永く歌い続けてほしいな、とも思う。
まだ酒も入っていないというのに、早くもこういうクダ巻き状態。これは多分に若々しいパフォーマンスに対してのオジさんの僻みからくるものだから、許してね。
でもこれだけ個性的なバンドが毎年揃うFANって、これ以上ない気づきの場を提供してくれているよな、とも思う。
というわけで今後はまた、このイベントから独自色を色濃くもったアカペラ・バンドがひとつでも多く育っていくのを見てみたいな、と強く思った。
ここまで、自分たちのことは棚上げ、無責任発言(^^;



で、俺たち自身の演奏。
昨年、5曲無理やり詰め込んで疲れたので、今回はやや余裕を持って(?)4曲で構成。
やはりステージ脇でのスタンバイにいたって、緊張する。
にのみさんから、「(ステージを)目一杯、楽しんできてください」と声をかけていただいて、やや落ち着いた。
それでも「There Hearts Were Full of Spring」では一箇所、盛大にへろってしまった。
実は昨年、同年代のコーラス好きなお客さんから演奏後にお声がけをいただき、「オープンハーモニーはやらないんですか?」といわれたこともあり、レパートリィから意図的に加えてみたもの。実際、この手の演奏形態をやっているバンド、FANでは他にみかけなかった。
しかし、こういう難曲を演っても、モニター環境がいいので、とても歌いやすいね。
そして、天空に開けた視界は屋外イベントならでは。リバーブの効いた自分たちの声が、満員のお客さん越しに空に吸い込まれていくのは、何度経験しても、演奏していてゾクゾクする快感だ。
一方、モニタースピーカーがまるで「結界」のように、これ以上一度も客席側に出られなかった、臆病な俺たちではあった*1。フレッシュな他のバンドは今回、どんどん前に出て行っていたのだが・・・。もし来年も、出演させていただけるのなら、の目標(笑)。
要はフォーメーションらしいことをしたかったら、事前に練習しとけってことなんだが、かつて一度も練習したことがなく、だいたいその場でやっては、何某かのトラブル(?)になっている・・・のを、実は楽しんでたりして。
しかし、プロと曲カブる、とわかってたら、差し替える曲なんていっぱいあったのにぃ。しかも個人的には、敢えて自信のない曲・・・まさに、ひゃっはー。
まぁ、次に控えていた強烈な“アイドル・バンド”が、恐らく俺たちの印象を一気に払拭してくれちゃっただろうから、いいか。
ありがたいことには知人やお客さんから、異口同音に、過分なお褒めのことばをいただいた。必ずしも毎回、こうしたお褒めのことばばかりとは限らないが、たくさんの人たちに自分たちの演奏を聞いてほしい、という思いの中には、こうやっていろんな人たちからの感想が聞きたい、というのがあるんだな。改めて自分の中に確認、実感した。
さしあたっての問題は、この後もライブハウスでもうひと本番あるがために、まだビールが飲めないわけで・・・。

*1:後で動画を見てみたところ、FUNEがひとり、大胆にも前に出ていた