ひとり花見

昨年12月、遅い(!)紅葉を見に実籾本郷公園に行った際に、例によって周辺散策をしててみつけた、実籾小学校裏手の「桜坂」、(「俺の桜」と勝手に命名)を見に出かけることにした・・・予想通り、晴天をバックにした満開。

そういえば会社辞めてからは、最寄り駅から毎日乗ってたはずの下り電車に乗ったのも、実に久しぶりな感じ。

見上げる首が痛くなるほど、陽光が織り成す桜のグラデーションと、メジロムクドリが「花の雲」をかき分けながら蜜を吸う様子を眺めていた。

毎日仕事で通っている湾岸地区の車窓にも桜の木は見えるものの、そもそも埋立地は根を張るに足る「土」ではないらしく、若木ばかりで風情が足りない。
本家「桜坂」は東京・大田区にあって、訪れたことはないが恐らく数百本もの桜の木がある並木なんだと思う。一方、こちらはたったの6本なれど、本数が少ないだけ逆に、ここに桜を植えた誰かがいて、以後途絶えることなく手入れをする人たちがいて、この古木たちの今が在るんだということを、確かに感じさせてくれる。
景勝地のそれと違って、誰も愛でてくれる人がいなくても咲いている、という感じも好ましく、12月に偶然ここを見つけたときはもちろん開花していなかったが、とても嬉しくて、以来勝手にここを、千葉での「俺の桜」にしようと決めていた。
そして今日の、どんぴしゃ満開・・・。


カメラを一旦置いて、駅のスーパーで買ってきた道明寺と草もちを食する。ビール、とも思ったが、甘味とはさすがに合わないな。




半時ほど、桜に囲まれながらぼーっと過ごし、後ろ髪引かれるように坂を降りて駅に向かった。
昨年は心やさぐれていて、とても花見に足を運ぶ元気もなかったものだが。
ぜひまた、来年も。