鎌ヶ谷大仏

この季節、先日の紫陽花に次いで菖蒲を愛でるには最後のタイミングと思われたが、駅貼りの広告に紹介されていたのは結局全て「川向こう」の東京・下町じゃないか、という気分になり、それならば何度か行こうと試みていた「鎌ヶ谷大仏」へ、行くことにした。快晴の金曜休み。久しぶりの平日休み。
そのものずばりの名称、鎌ヶ谷大仏駅は新京成線にある。

そういえば(京成)津田沼駅で行き交う新京成線の電車に、数日前から真新しいロゴマークがお目見えしているのに気付いていた。その色、なんとピンク。シックな装いを感じさせるクリーム+ブラウン帯の車体に、ひときわ目立つ、ピンクのマーク! 

モチーフになっている「S」字は、鉄道連隊の路盤を引き継いだ京成津田沼新津田沼駅間かと思っていたが、この界隈だけでなくいずこも曲線が新京成線名物、ということらしい。
せっかく出かけたのだから隙あらば撮りテツも、ということで、運転室直後に張り付いて前方注視。島式ホームの数駅と、滝不動駅の少し手前に見つけた、魅力的な大楠をモチーフに、戻りの際に下車してみることにした。



鎌ヶ谷大仏駅は、駅なかにちょっとした商店街があり、現代の門前町、といったところか。大仏側出口の昇降階段はドームの様相で高い天井が気持ちよく、エスカレータ側の壁面には等間隔でステンドグラスではないものの、陽光に透けて絶妙な色味になる、緑ガラスの丸窓。

事前にネットで調べた際には、「大仏」という先入観を持って歩くと気付きにくい、とあったが、もしかすると墓地の塀を少し低くしたのかも知れない、案内看板を備えた「大仏」は程なく見つけることができた。
安心したわけでもないが、向かいにある立派な鎌ヶ谷八幡神社の鳥居を先にくぐることにした。鳥居の脇では満開の額紫陽花がお出迎え。

神社縁起には、淳和天皇の頃、この辺りで献上馬を育てていた、という記述があり、習志野の騎馬隊以前の歴史が俺の中で繋がった。実際のところ関係性は不明だが、騎馬隊が置かれることになったのも、もしかすると現在も競馬場があるのも、この頃が「縁起」だったのかも知れない。
そんなことを思っていたら、競馬馬を乗せたトラックが駅前通りを通り過ぎていった。
境内の「百庚申」の説明も、興味深かったが、青面金剛像のほとんどが顔を削り取られていたのは、最近のことなのだろうか。



こうして木陰の多い神社の境内を少しブラブラ、涼んでから、いよいよ大仏様とご対面。
詔勅で作られたものならともかく、裕福だったとはいえ一個人が作ったものとしては十分大きいといえるのではないだろうか。そう思って細部にわたってよくよく見てみれば、なかなかどうして、立派なものだ。
実は、高さ180cm(台座込でも230cm)だそうで、「千葉県三大がっかり観光地」などと揶揄されているらしい。
▼といわけで、本当の大きさ。

昼食は、出がけに新京成のHPで開店の報を見た「たこ焼き屋」にしようと思っていたのだが、「北」習志野駅と勘違い。改札外、というロケーションは覚えていたものの、だとすると習志野駅のような小さい駅ではあるまい、という思い込みが先行した無残な結果。
といって北習志野で改札を出てしまったので、わざわざまた交通費をかけてまで習志野駅へ行く気力もないし、何より空腹も限界だ。
結局、北習志野駅の「華星」という、片言の日本語をしゃべるお姉さんの中華弁当店で、鶏肉カシューナッツ炒め丼を入手。平日限定サービス(片言日本語)とかで、とろみのついた卵スープをサービスでつけてくれ、初夏の風が心地いい駅テラスのベンチで、同じように遅い昼食を取っているチャンバーと並んで食した。ウマシ。

▼おまけ。北習志野駅ホームの自動販売機コーナー。