5時起床で早出出勤。

話は時系列に抗って、今朝。
実は個人的にはフラフラになっての残業よりは、早出の方がラクだったりする。冬の朝が寒いといったって、エアコンがあるご時世。学生時代、吹きさらしの木造アパート暮らしを経験している人間にとっては、目覚ましアラームとともにタイマーでエアコンを早めに起動しておけばいいだけのことで、東電さん、ありがとう。いい時代だ。

しかしやはり低血圧、寝ぼけていたらしく、今の仕事に就いてから初めて、ガラガラの始発電車に飛び乗ったら「通勤快速」だった・・・。
「空いている⇒始発⇒各駅停車」という思い込みが早朝出勤には通用せず、見慣れた下車駅をさっくり、通過〜。新幹線のドアコックをひねって、途中駅でドアを開けちゃった議員の気持ちが、ちょっとわかった気がした。

始発の快速は、反則だろー
いつもの通勤時間帯にある快速「二連射」も反則だが。朝の忙しい時間帯に、止まらない駅利用者への配慮ってもんが足らん。
あ、通過駅がたったの6つしかない京王線の「快速」も反則な、逆の意味で。

コンビニでは昼食だけでなく、総理の所信表明演説(全文)が掲載されている「東京新聞」を買った。前職では情報収集の業務で朝・毎・読・日経と千葉日報、それに東京新聞を読んでいたが、千葉日報とともに、”Left Wing”でも(巨大)メディアという公権力でもなく、一番生活者目線の立場からの記事が多くて、しっくりくるのが東京新聞。都市圏以外の地域では地方紙の方が売れている、と聞いていたが、なるほど。社会面も含めて、読んでみたいと思う記事(見出し)も多かった。数少ないが直接取材を受けたり記者さんと知り合ったりした経験でも、東京新聞の記者さんが一番、事前に勉強をされていたように思った。逆にこのうちで一番アホな質問しかしなかった記者の所属は●●新聞(内緒)。
で、我が国国会だが、テレビのニュースで見る限り、全くつかみ所のない、要領を得ない印象で、放送時間の都合上抜粋がひどすぎ、いったいこれのどこがニュースだったのか、というものだった。首相は本当にこんなバカなことをいっていて、しかもなぜか議場は大盛り上がりライブ、だったのだろうか…ちゃんと全文を読んでみたくなったのだ。
別に俺は、日頃から政治に興味があったわけでもなければ、もちろん詳しい人間でもない。
ただ、平和で経済も誰が何をしようが右肩上がりだった時代、政治は我々の手の届かなくとも空気や水のような存在、でよかったのだが、その平和な「(戦後)昭和」を知っている俺たちにとって、今は決して「平和」などではない、というのが俺の肌感覚だ。こういう時代こそ、公権力が市民生活に「侵食」「干渉」してきてはいないか、敏感に感じ取れなければならない気がする。弱い者からクイモノにされる(もしくは切り捨てられる)のは、過去の歴史が証明している。
日本は先の大戦争に負けたお陰で、連合軍から民主主義という制度を、教え、与えてはもらったが、自らで勝ち取ったという歴史はまだない、もしくは大多数の人間が知らないのではないかと思う。なにせ自らが法治国家、先進国といっている一国の首相ですら、(民主主義国家において)「憲法とは何か」という法学の基本、というか中学校社会科の基礎をご存知ないのだ*1
さて、所信表明演説への正確な分析や論点についてはそれぞれ、新聞・ニュース等を見ていただくとして、ごく個人的な感想。
まず、総選挙の結果を大誤認しているな。俺の認識では、半数以上の国民(有権者)が選挙に行かなかったか自民党以外に投票しているはず、なんだが。

それから話が逸れて今後の国会論戦の話になってしまうが、やはり「与えられた」民主主義だからだろうか、俺も含めた日本人が恐らく本当の「議論」というものを知らない。
俺が勝手に、長期政権、規制緩和の先人として安倍首相が「ライバル視」しているのではないかと思っている小泉元首相について、ちょっと長くなるが俺がことあるごとに読み返している本から一節を引用させていただく。

たとえば小泉純一郎首相は、就任当初、「私は失言をしたことがない」と豪語していたが、その真相はここに来て明らかになってきた。そもそも失言というのは、相手の質問に真面目に答えようとして感情的になり、つい口を滑らせるところに生じる。はじめから質問に答えようとせず、はぐらかし続けていれば、失言も喧嘩も起きないのは道理だ。喧嘩も失言も、議論が噛み合ってこそ発生するものであり、対話のないところには喧嘩もまた存在しない。
議論のない静寂な社会は平和なのかというと、そのような社会の行く末は陰惨なものとなるほかはない。ナチス支配下のドイツでは、ユダヤ人とナチスは喧嘩をせず、ただ一方が他方を虐殺し続けた。そこには争いという関係さえもなかったのである。
長山靖生『「人間嫌い」の言い分』(光文社新書 2004年)

1日あたり何億円とかけて開催されている国権の最高府たる国会・各委員会での議論ですら、恐らく日々この程度の内容なので、俺を含む大多数の日本人が「議論」といわれてもこの程度のものしか、多分知らない。

歴史上の人物の名言を多く引用しているあたり、「お役人さん、作文頑張った」。少しでも国民に興味をもってもらおうと思ったのだろう、この点は個人的に評価したいけどね。でもほとんどの人が読まないんだな。
むしろ一瞬でニュースが地球上に配信できてしまう時代、諸外国に対して、恥ずかしいことになっていなければいいんだけど。
このうち吉田松陰の「知行合一」を引用した部分があったが、日本が東日本大震災という大きな「転機」後、原子力発電の扱いについて私利私欲でゴタゴタやっているうちに、中国がさっさとエネルギー政策の転換に成功(自然エネルギーによる発電量が原発のそれを上回る)しちゃっている。今の日本はどこが「知行合一」なんだろう、と古賀茂明さん(https://twitter.com/kogashigeaki)が「報道ステーション」(テレビ朝日)で指摘されていたことを申し添えておく。
あ〜あ、また長くなっちゃった・・・。

そうそう、早朝の仕事場で不意に「You Tube見たよ」といってくれたTさん。近々次回の演奏予定はないの? と。
先日の船橋にわざわざ来てくれた同僚からの紹介で、興味を持ってくださったようだ。
嬉しいことは、時差を伴って訪れる。

*1:市民生活に与える公権力の影響を制限するための最高法規。従って市民の要請により、真に市民の代表により整備されなければならないもので、制限される側である公権力者側が勝手な解釈だけで運用を変えたり、憲法に違反する法律を作ってしまうのは、例えれば加害者が刑法を作っているような、本末転倒状態