タガが外れる。

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ネット上のニュースで、久しぶりに「アトピー」関連の記事が上位にランクアップされていたので、記事を読まず興味本位で、まずは膨大なコメント欄の全てに目を通した。
スポーツ紙のちょうちん記事よりも、多くの「反応」の方に興味がある。


思い溢れてしまい、未だに継続中の自身の苦しい経験を切々と語る人。
自身の治療法について得意気に喧伝する人。
そして、すっかり諦観しちゃった人…。
大まかに、こんな分類になるか。
後で読んだニュース本文と全く関係のないコメントになっちゃってるものも少なからず。
これらのうち、俺が無意識に「いいね」を押してたのは、経験や治療に関する情報ではなく、患者たちのそんな思いに寄り添おうとするコメントだったことに気づいた。
いずれにしてもこの持病の話を本音レベルでできる人間関係がまだまだ周囲に足りない、という印象だけが残った。以前運営に関わらせてもらった「患者の会」みたいなものが、「伝える」訓練の場としては一番いいのだろうけれど、患者同士ならではの難しさというのもある。運よく誰かが、治療が功を奏してよくなってくると、妬んで「足を引っ張る」ヤツが必ず出るんだよな俺の経験では。

俺自身は幸いなことにここ数年、自身が患者であることやその症状について意識することは全くなくなったが、思春期に幾度となく浴びせられた父からの「掻くな!」のことばだけは、心に深く刻まれて残っている。
我慢できる「痒み」だったら、誰よりも我慢したいのは本人なのに。
それすらできないことがまた、自身の無力感につながったものだ。
しかし、
これだけ患者の心の「痛み」に思いはせることができる人がたくさんいるのに、この社会は俺の知る限りもう50年以上、様々な病気や障害を抱えて生きる上で、一向に暮らしやすくなっていないと感じる。

朝からややブルーな気分になってしまい、予報通り雨が降り出す前に、このところ夢中になって何度も読み返しているコミックの最終巻を入手すべく、某大手古書店に行くことにした。
とはいえさすがにまだ、通勤でもない週末に公共交通機関を使って越境、というわけにもいかないので、一番手近な津田沼へ。
そこで目的が果たせなかった場合はVivitでもよかったがつい先週末「巡回」したばかりだったし、久しぶりに下総中山まで足を延ばせば別系列店と併せて2件回れる、というプランを策定。

京成津田沼駅で途中下車、駅ビル内にあった「マッターホルン」はお気に入りのベーカリー。
先日来、店内リニューアルの張り紙があって休業中だったと思っていたが、そのまま廃業してしまったらしく、無情にも「テナント募集」の張り紙に変わっていた。
なんといっても大きなコッペパンシリーズが昼食には最高の贅沢で、今年の自分の誕生日にはここでモンブランを買うのを楽しみにしていたのだが。
最寄り駅の商店街でも、政府のコロナ支援策が間に合わなかったのか踏切脇のたこ焼き屋と、喫茶店並びに開店して間もなかった唐揚げ屋が既に廃業してしまった。

関東も今日梅雨入り、とのニュースをラジオで耳にしながら歩く、JR津田沼駅までの道。梅雨ということばに不似合いなほどの青い空。
結局、津田沼では入手することができず、JR総武線に乗って下総中山駅へ移動した。
駅の反対側では、戦後バラックのような一角を発見してしまい、意外と暮らしやすい街なのかも、などと思う。
大手古書店でも平日はさすがに来店客が少なく、店内で人とぶつからずに目指す書棚から書棚へ渡り歩くことができる。必要なら少女漫画の区画にすら、人目を気にせず入ることもできる。
この店で目的の本を発見。最終巻ということで、次なるネタも併せて物色、差し当たって1巻だけをお試し買い入れ…事前に目的も定めないまま、こうして背表紙だけを眺めていろいろ想像を膨らます本屋散歩は、楽しい。

早速、これも週末とは一転がら空きのレジに持っていくと、レジカウンターの手荷物を置く張り出しに、透明ジップケースに「予備6000円」の手書き付箋が添えられた千円札(何枚入っていたかは未確認)を発見してしまい、レジのお姉さんにその旨告げたら丁重にお礼をいわれた。明らかに誰かの忘れ物だ。
そういえば先日も、スーパーのレジで確か似たようなことが…ああ、あのとき拾ったのはお金じゃなく個包装の菓子だった。
咄嗟に拾ってしまってから、いちいち届けなくてもよかったかと後悔。今の状況では手渡したこと自体が不衛生だったかも知れないし。却ってお仕事を増やしてしまっただけ、だった気もする。
なんとなく「拾い物」が続いたので、次は人魚でも落ちてねぇかな、期待(ないから絶対!)。
しかし千円札は、無事に持ち主に返っているといいんだが。

外出自粛から時を経て、ささやかながらも俺の日常っぽいものが戻ったような気がした達成感とともに店を出ると
快晴は一転、予報通りの曇りで、いつ降り始めてもおかしくない湿り気を帯びた風が強い。
時折見上げた空では、雲の流れが台風のときのように早くなっている。

復路は、いつか弾きたいと狙っているストリートピアノの現状が気になって、船橋乗り換え。
このコロナ騒動でやはり休止にはなっていたが、幸い撤去にはなっていなかった。
またいつの日か、できれば近いうちに。
もともと掲出されている演奏上の注意書きには、歌と、他楽器とのセッションはNGとなっていた…俺の方では方針の変更が必要になった。
ということで少し前から、電子ピアノの導入を検討中なのだ実は。
このところ楽器屋で現物をいくつか触った感じから、Casioの最安モデルに狙いを定めて、4万円を割ったところでポチろうと待っている。
しかし値が下がるのが待ちきれずいてもたってもいられなくなったら、現状で4万円を切っている次点のYAMAHAに手を出してしまう、かも知れない。

近所のスーパーでバタバタと夕食の仕込みを済ませて、15時帰宅。
手洗い、うがい、着替えを済ませた頃には窓の外から滝のような雨音。どうやらカバンから折り畳み傘を出さずに済んだ(梅雨の降り方じゃあないな)。


東京では感染者数22人だというのに、東京アラートが事実上解除された。
結局やっぱり(都外から見ている限り)、都庁とレインボーブリッジを赤くするイベントだったな。
知事選挙も近いし、各業界団体にはここらでいい顔しとかんとね。
俺はここ当分、週末に東京まで行かねばならない用向きもないので、まだしばらくはできる範囲で外出自粛するつもり。
後で笑い話にできるのなら、それでいい。

そして息を吹き返す、リア充たち。
まぁせいぜい死ぬ気で頑張ってくれ。
アンタたちの(底辺の俺から見れば一見無駄にも思える)出費こそが、この日本経済を支えているんだから。