平面交差。

久しぶりにテツ・ネタでも。

日本の鉄道は複線運行の場合、(一部例外を除き)原則「左側通行」になっている。
例えば途中駅で、同じく複線の支線が(下り電車の進行方向で左手に)分岐する場合、支線に入る下り列車はそのまま左「外側」に進めばいいので、本線や上り電車に影響は与えない。
逆に支線から上り線を進んできた列車は「左側通行」の構造上、本線の上り線に合流する際にはどうしても一旦、下り本線と交差(乗り越え)する。
これを「平面交差」という。
ファンならずとも電車の複雑な出入りは眺めていて退屈しない光景だが、その「交差」する部分で、本線・支線のどちらかに遅れがあった場合、他の列車への影響が出やすいために、最近では目にする機会は減ってきてしまった。
解決策としては、支線の列車を時間帯によって分岐駅折り返しにしたり、大規模改修工事を行って上下線別に立体化してしまう、など。
直近例だと、京王本線相模原線が分岐する調布駅で、地下化に併せて立体構造にしたケースがある。

毎日利用している京成線では、京成津田沼駅にこの平面交差が残っている。
ある日の夕方。
この日も本線下り各駅停車に乗っていると、この駅で後続イブニングライナーの通過を退避する。
ところが今日は、千葉線からの上り列車が遅れていた。
イブニングライナーを先に通過させるために、遅れてきた千葉線上り列車は支線上で一旦停止。
続いてすぐ、こちらの各駅停車が出発…するのかと思っていたら、千葉線からの上り列車が最徐行で入線してきた。
このため、平面交差をこの列車が通り過ぎるまで発車できなくなってしまう。
「信号が変わるまでお待ちください」
そうこうしている間に、本来ならこの先、八千代台駅で接続するはずの後続下り特急が、隣のホームに追いついてきてしまった。
各駅停車のドアが閉まる数秒前に特急のドアが開いてしまい、目の前に各駅停車が止まっていれば、乗り換えの必要がある人達は、反射的に駆け足で殺到してくる。
次発の各駅停車までこの駅で待たされることがなく「ラッキー」だ。しかしこちらは何度も扉の開閉を繰り返すハメになり、発車がさらに遅れた…。
列車種別が多くてパターン化できない帰宅ラッシュ時間帯ではあるが、京成線では日頃から同じ行先・種別の列車でも乗車率がバラバラで、加えてこういう「不器用」なところがあるんだよなぁ京成線は。

先の京王線の例だと平面交差時代にはしばしば、相模原線の上りを、支線上で待機させていた気がするんだが。
千葉線上り列車の遅れの理由はわからなかったが、心情的にも「遅れた奴が悪い。待たせておけ」だろーここは(個人の感想です(^_^;。
昨今鉄道会社は、想定外トラブルが重なることを避ける意味でもホーム以外の線路上ではできるだけ列車を止めない方向に「進化」しているようなので、京王線でも平面交差のままだったら、今回と同じ手続きを踏んでいたかも知れないんだが。