吹部ノート。

吹部ノート

吹部ノート

悲願のソリストになれなかった3年生が、ソリストに選ばれた後輩をあたたかい目で見守れるようになるまでの話なんかもう、全俺が久しぶりに泣いた。
若さからくる柔軟性って、スゴいな。
それにつけても。
いつの間に俺は、音を丁寧に紡ぐことに関してこういう純粋な気持ちをどこかに忘れてきてしまったんだろう。


自身が高校生の頃には幸い、思春期特有の勘違い(!)万能感から、本人の頑張りさえあればなんでもできる、みたいな心持ちでいたものだが、ここに掲載されているのはいずれも名だたる私立高校で、今の俺が拝読するには「あぁ、所詮はやっぱり、お育ちの違いか」…という嘆息感も、自身の内に透けて見えてくるようになってしまった*1…こんな具合でさすがにそろそろ、俺の吹奏楽熱も醒めてきたようだ。

教育の場で経験できる(はずの)ことは本来、各家庭の経済状況で差がつくようなことがあってはならない、という気もするが。
今や何事もこういう目でしか見られなくなってしまっている俺の方が、「病んでいる」に違いないし、こう考えてしまうと何を観ても愉しむことができない。

*1:個人の感想です