ふなばしミュージックストリート。

ふなばしミュージックストリート(FMS)は早くも第9回。感染への対策から会場数は減ったものの、3年ぶりの本格開催だそうだ。
相変わらず公式HPは、会場別の演奏時間とバンド名、それにアー写(?)の掲載だけで、演奏ジャンルもバンドからのPRコメントも掲載されていない。
出演バンドと会場の調整だけで運営が手一杯で、来場者向けの情報発信に思い巡らすところまで手が回っていない、という印象は、第1回から首尾一貫して変わっておらず、もはや「お家芸」。

一応洗濯ものを取り込んでから家を出たが、途中から天気予報がハズレて、妬ましいほどの晴天になってしまった。
やっぱり自身の演奏経験からはアカペラバンドの演奏が観たくて、片っ端からバンド名でググった結果、洗濯を終えて駆けつけてみると、よくも悪くもYoutubeで見た通りの演奏だった。
せっかくの「ストリート」なのに、客を前にしても変わらんのね(よくいえば演奏、安定してるんだが)。
生演奏なりの、客席と対峙する気迫というか息遣いというかが、せっかくの(アコースティックな)生演奏を通して感じられず、淡々と演奏だけが流れ作業のように進んでいく感じは「学芸会」的(身内ノリ)で俺の心に何もひっかからなかった。今日4曲披露するという中の1曲目を聞き終えたところで早々にうんざりしてしまい、いたたまれなくなってその場を離れた。
決して、演奏内容が悪かったわけではなくて。
むしろ俺らが同じ年代だった頃の演奏内容に比べたら、良くも悪くもソツのない仕上がりで、技術的には圧倒的に巧いんだろうけれど。
人格円満(そう)に全く癖のない、見た目善男善女な若者ばかり、というのもどうにもメンバーの名前と顔が覚えられないし(これは俺のトシのせいかも)。
「さわやかな若者」の風貌とともに、BGMのようなあっさり感が、「今どき」の演奏なのだろうか。
今やアカペラというとこういうスタイルが主流らしく、協調性に難ありで何かと大所帯な合唱界を捨てた俺のような人間の安住の地でもなくなってしまい、すっかりリア充ども(笑)に蹂躙されてしまった感がある。

せっかくのイベントなので、この場は立ち去るにしてもこのまま他の会場の演奏に足を向けてもよかったのだが、何せ手元の情報は「会場別の演奏時間とバンド名」しかないので、これ以上「ハズレ」を引くことの精神的ショックに今日の俺は耐えられそうになく、潔く会場を後にした(まぁ通勤定期券の範囲内で、ここまで交通費かかってなかったし)。

とはいえ久し振りに船橋駅の北口まで足を延ばしたので、崎陽軒に夕飯ネタを買いに寄ったところ、けっこうな行列ができていた。先日の値上げの影響はなかったようで、よかったよかった…俺は人の多さに怯んで、結局何も買わずに帰ってきたが。
その東武デパート内に広大な売り場面積を誇っていたビックカメラで、さすがに長年使って調子が悪くなってきたHDDレコーダーの代替機を見繕おうとエスカレーターで上階に上がってみたところ、途中階から見慣れたはずの光景が一変しており、ビックカメラはとっくに撤退、売り場は3階だけに縮小の上、ノジマ電気になっていた。

あわよくば若い演奏に刺激のひとつでももらってこようと思っていた目論見は脆くも崩れ去り、なんだか非生産的な一日になってしまったなぁ。
会場で関係者や知り合いに声を掛けられる、なんていう個人的妄想も、もはや叶うことなく。
こんなことなら最初から部屋で楽譜の1本でも仕上げていればよかった(多分、鬱入り始めてる)。