And So It Goes/Billy Joel(1990)

Author:521(コニチン)
オトコばかり全員喫煙者な体の、妄想系(?)4人組バンド。
当サイトは音楽実験場として立ち上げた性格上、内容、演奏レベルについての保証はいたしておりません(><)。個人でひっそりこっそり、お楽しみください。

video.fc2.com
2022/4/30録音

なんと1年半ぶりの「スタジオ乾電池」…あれ、そんな名前だったっけ?
またまた青天井下(あ、こっちか!)での録音です。
一聴しておわかりの通り、今回は楽器、ピアノ伴奏すら入っていません。521(コニチン)は確かアカペラ・バンドではない(設定!)、はずなんですが…。
まだまだ新型コロナへの感染が怖くて、この時期(ワクチン接種が思うように進んでいない)若者が利用者層の中心であろう練習スタジオに入る勇気がもてなかった、「前期」高齢者たちです。
もっとも、全国的にこのまま沈静化してくれれば、スタジオで楽器を爆音で鳴らせる日もそう遠くはなさそうですが。

この曲が書かれる1年前の1982年のビリー・ジョエルはなんでも、トラブル続きだったらしく。
バイク事故で怪我(当然、療養中の演奏活動は全てキャンセル)、その前から夫婦関係は拗れてたり、そんなフラストレーションからだったのか、当時30代半ばで10代のモデルに手を出すとか、ほどなく2人目の奥さんとなる女性と知り合ったり(何だ2人目の奥さん」って?)。
歴史的なヒット曲連発の影で、「次、売れなかったらどうしよう」という孤独感から相当ナーバスになっていたんだろうなぁという、我々凡人の想像できる領域を超えた生活環境だったんだと思いますが…プライベートはクズだなこいつ(コラコラ)。
いやいや。
けだし名曲というものは、社会的地位とか立場とか気にしていては生まれません(多分)。
人並み以上に自身を追い込んで、心身ともに壊れてしまうのではないかというくらいまで追い込んで初めて、ようやく私たちの元に届けられるものなんじゃないかと。私個人の法界悋気はこの際置いといて。

それはともかく、1983年には原案が書かれていたようですが、1990年のアルバムに収録されるまで、公式には発表されなかったようです。
音楽的な仕上がりに、何かこだわる理由があったのか。
讃美歌を思わせる荘厳ながらも親しみやすい旋律は、何か心の「救い」といったものを想起させ、思わず作曲の背景にある想いをこうして知りたくなるほどに心惹きつけられる、様々な想像を掻き立てられる名曲。

But if my silence made you leave
Then that would be my worst mistake
So I will share this room with you
And you can have this heart to break

でも僕が沈黙を続けていたことで君が去って行ったら
それは僕の痛恨の過ちだ
だから僕は君とこの"聖域"をわかちあおう
君が僕のこの心を傷つけても構わない

原曲はピアノ弾き語りのスタイルです。
そのアカペラ譜の方は、ドイツのアカペラ・バンド"Maybebop"の演奏を下敷きに再構成してみました。
私が以前所属していたアカペラ・バンドのために採譜したのが2015年。名古屋の屋外イベントでの演奏合間、声出し代わりに練習していたところ、たまたまその様子を見学していた現地の知り合い(恩人です)に、「この曲はいつ、名古屋で演奏してもらえますか?」と嬉しいおことばをいただいたのですが、なにしろ出しどころが難しい曲で、演奏時間が限られていることが多い屋外イベントでレパに放り込むには演奏時間を取るし、なんしろ曲調が重い。
その後もタイミングやら組み合わせやらの問題があって、残念ながら今日に至るまでこの「約束」を果たせていないのが心残り。個人的には歌う度にちょっと、心の奥がチクッとする思い出の曲でもあります。
簡素なデジタル機器はようやく使い慣れてきて、ここへきてようやく自分なりの「標準録音手順」のようなものが出来上がりつつあります(実は、録音後の作業の方が手間だったりするので)。
なんか本末転倒に、機材をいじってあれこれ考えている方が楽しくなってきちゃって。いじるためには「音源」が必要なはず、なのですが…。