自宅療養。

10(水)

夜、喉の痛み(発熱なし)

11(木・祝)

発熱37.0。念のため一切の外出予定を破棄。

12(金)

発熱37.7度、感染ほぼ確定と腹をくくる。
かかりつけ医は今日、お盆休み前最終診療日。そもそも電話なぞ繋がるわけもない。
早々に諦めて、県の陽性者登録センター(Web)に登録、抗原検査キットの取り寄せを申請する。
不幸中の幸い、会社も夏季休業中だったが、休みに入る前の「通達」に則って上長には電話で一報を入れておく。
「検査は?」
とやたらと結果を気にされていたが、俺の症状については一切聞かれなかった(そゆとこ!)…まだ、検査薬取り寄せ中だから。

13(土)

台風8号上陸。台風というほどの勢力はなく、いわゆる雨台風だったようだ。
ここまでの流れが自分でもびっくりするほどスムースだったのは、先日社内で陽性者が出たタイミングで自身が感染した場合を想定して、フローチャートを作ってあったから(実際、各都道府県によってここにきて随分と対応方法が違ってきている…反ワクに傾いている首長の自治体は、何も支援がなかったり)。
心がけて食材もストックしてきており、今回台風への備蓄が加わり、どうやらしばらく食には困りそうにないのも不幸中の幸い。

しかしテレビで高校野球を見てる以外にやることがない。
第3試合 智辯和歌山国学院栃木
先日「首都圏ネット」で紹介されていた関東勢。レギュラー入りを果たせなかった野球部員が「データ班」を編成、対戦相手校の今年全ての試合を録画、詳細に分析して、全ての選手・監督と情報共有をしている取り組みが紹介されていて、関東勢だということ以上になんとなく肩入れしてしまう。
解説員の方がおっしゃっていたように、同じ栃木県内の常勝校、あの作新学院に勝って甲子園出場を決めてるんだから、実力だって折り紙付きなはずなのだが、解説員の方は実のところあまりご存知ない学校だったようで、始終「よくご存知な智辯和歌山」に肩入れした発言が繰り返されており、俺には感じが悪かった。
「この智辯和歌山メンバーでの次の対戦も、ぜひ見てみたかったですねぇ」
…はい、国学院栃木が勝ちましたが、何か?

第4試合は地元、市立船橋敦賀気比高校戦。
なかなか自分たちの野球をさせてもらえなかったようで、5回を過ぎたあたりから手詰まりな空気、完全に相手ペースになってしまい、嫌な予感にいたたまれなくなってしまい、ここでチャンネルを切り替えた。残念!
しかし大阪は今日も一日、晴れてるのね。日本は本当に広い。

しかし甲子園の満席な応援席もだが、政府が一切の行動規制に弱腰だったので、こうしてテレビで眺めている限り、例年と変わらない駅、空港のお盆休みでの賑わい。
…いや、オマエら怖くねーのか感染?
俺はむしろ怖くないけど(得体が知れない怖さはあるが)。
っていうか今はワクチンのお陰か何も症状らしいものはないが、明朝、急変で身体を起こせなくなってる自分に気づいても、
「あぁ、これでようやくラクに…」
と思ってしまいそうだ。
このまま夜、就寝中に痰を喉に詰まらせて翌朝死んでたら、「ボンゾ」(伝説級)だしな。

このタイミングで、市から4回目のワクチン接種券が届く。

14(日)

県から予定通り抗原検査キット届く。
Rosh製とあったので、「対外診断用(医療用)」という理解でいいだろう(英語しか書いてないのでわからなかったが)。
14:15、わくわくしつつ、説明書を何度も読み返してから、いざ検査。
問題は、むしろこの結果が「陰性」だった場合で。
抗原抗体検査はあくまでも陽性者をあぶり出すための検査であって、陰性の証明には全くならないことは知っているが、会社のお偉いさんたちには、俺が出勤しないことの言い訳が立たなくなるだろう…。
14:30、「陽性」確定(これ以上ない、見本にあるようなくっきりとした「線」が出た!)。
この時点で、俺の夏休みの向こう一週間「自動延長」が確定(まぁ理由が自宅療養じゃ、部屋から一歩も出られないが)。

実家の妹とは今朝もSMSでやり取りしており、早速報告。
「父がショックを受けている」
との返信。
いやまぁ、俺としては完全に予想範疇の展開なのだが。
病名が判明したというだけで、俺自身の何が変わるわけでもないし、症状自体もピークを超えた手ごたえがある。
その父からも返信メールが届いていたが、なんだかひとりで盛り上がってしまっているようで、感染者本人よりも感染者っぽくて笑ってしまった。
退屈してたんだなぁ…。

15:32 そんな一連の報告などの片手間に、気構えなく県HPにアクセスしてたら、これまで(混雑から)全く繋がらなかった陽性者登録画面があっさり表示されてしまい、却ってビビった…県への陽性者登録を無事に済ませる(診断結果待ちステータスに)。
連絡はメールで届くのかSMSの方なのか(スマホ持ってないので、登録アドレスはパソコンのものにしてある。SMSにURLとか貼って寄越されると猛烈困るんだが)。

まさか自身が感染するとは思わず、この夏休みの「課題図書」(笑)として買ってあった『太平洋戦争 日本の敗因』、一気に読み終えてしまった。この勢いですぐにも続編が読みたいが、買いに出るわけにもいかない。

俺と同じタイミングで、熊谷千葉県知事の感染が判明したと今日、報道されていた。

22時過ぎになって、SMSの方に保健所名で「診断確定のお知らせ」が入ってきた。
本文に厚労省のURL。これが不評な“My HER-SYS゛か。
まずはログインに手こずる。SMSにIDまで掲載されているのに、「新規登録」から始めなきゃなんないのね。
当然、基本情報から入れなおす。これ、IDで紐づけして、入力されている状態にしといてくれねーかな。
それで、これから毎日自分で、これを使って健康管理してください、っていう「突き放し」なわけか。
いわゆる「危険な兆候」を示すデータが入力された場合、「プッシュ型対応」してくれるんだろうか。
印象としては、県が先月始めてくれた「陽性者登録センター」と、そこからの検査キット無償入手、結果の提出まではすんなり行ったものの、そこから「上」へ行くほど融通の効かない(使いづらい、使用者側の立場に立っていない)システムになっちゃってるんだな、と。
まんま医者のカルテじゃん、これ。

15(月)

会社の夏季休業、実は今日まで(明日からは通常業務…俺は当然欠勤だが)。
10時頃、昨日繋がらなかった上長に電話を入れて、診断が確定した旨伝える。
さすがに我が社でもこの3年で何人目? ということもあって、出勤停止措置についてはすぐに理解していただけた。
そうこうしている間にも厚労省から"COCOA"入れとけ、というPRがSMSで届いたり、県(保健所)からは緊急連絡先と各種公的サービスの案内、それにイマビスとかゆー、県独自の健康管理システムへの入力を促される…縦割り行政!
COCOA”、ガラケーには入んないでしょどーせ(入れる気もないけど)。
今の俺の症状だったら、この他の公的サービスを使うまでの必要もなさそうなので、そのリソースは俺以上に必要とされている方に使っていただきたく…何も申請しなかった。
ともかく自宅「放置」にはしない、という現場関係者の意気が少し感じられて、ひと安心。

洗っておいた夏掛け(布団)を干すと、洗濯槽そのものの洗浄をしていたら、0時。
防災無線からの市長の呼びかけに、そのままベランダで終戦の日の黙祷を捧げる。
今年はなぜか例年になく、太平洋戦争を身近に感じている自分がいる。

暗黒の自宅療養期間に突入。
しかしとってもいいタイミングで罹患したんじゃないだろうか、俺。
明日から、お盆休みに羽を伸ばしまくって羽目を外しまくった人たちが、一斉に都市に戻ってくるわけで。
これで感染者数が今のレベルを上回らないはずがない。
とはいえこの時点で俺はもう平熱、MyHER-SYSに入れるような顕著な症状どころか、喉の痛みも咳も一切ない。
3回のワクチン接種が、想像以上にいい働きをしてくれちゃったようなのだ。

どうやらまた、死に損なってしまった。
ある朝事態が急変しており、自身が死んでいることに気づいた(死んでたら気づけないかそもそも)、という「結末」に今回、最も近づけたものを。