歯医者の日(6か月健診)。

"The Last Emperor"坂本龍一

今日唯一の予定は、歯医者(6か月検診)。事前予約は16時と、かなり遅めの時間になってしまった。
隣室の大学生たちがまたサカり始めないうちに、本屋に出かける(何で俺の方が気をつかわにゃならんのか?)。
年に数回程度、「活字中毒」でもないが本屋に行くと、背表紙のタイトル達の方から目に飛び込んでくる、というメンタル・バイオリズムに入ることがあって、これはもう楽しんじゃうしかない。

「40年も飽きずに続けてきたこと」をやめた途端、物事に熱しやすく飽きっぽくなった気がする。
元々大病をしたのをきっかけに「それ」しかできることがない、くらいの、祈りにも似た気持ちですがり続けてきたことでもあったから、本来俺の気質はこっちだったのかも知れない。
それがようやく、身体が自由になったら立ち現れてきたということか。
だからって高校時代あたりに戻れたりはしないわけで。
不本意ながらもヒトよりは長くなってしまった大学時代でも、その精神発育(笑)を取り戻すことは結局できなかった。
大学で心理学を学ぶほどに、自分が経験することのなかった、自己肯定を補強するための体験の数の多さを思い知らされるだけで、絶望的な気分になったものだ。
適切な成長過程(時期)に得られなかったことは結局、長く時間をかければ取り戻せるというようなことはなかったようだ…。

ともかくも本屋ではすっかり「お腹いっぱい」になることができて、一旦帰り道へ。
ひとまず15時の整体院開院時間まで、ピアノでも弾いていようか。
歯科検診を済ませてから整体院に行った方がむしろ、効率がいいか。

近所の公園で昼食をとってから、13時帰宅。
先ほど巨大書店で目にした平積みや気になった背表紙タイトルの本を、密林の「お気に入り」に片っ端から突っ込んでおく。

自閉症のぼくは書くことで息をする』という本のタイトル。
さすがにこれまで精神科で診察を受けたことはなく、そこまで思いつめるほど社会生活に支障をきたした記憶もないのだが、日頃の長文癖を状況証拠とすると、自閉症「気質」くらいは生まれ持っている気もする。

予約の16時少し前に、かかりつけの歯科へ。
受付は丁度入換のタイミングだったのか、大賑わい。
ベリーショート、(控えめに言って)やや大柄の女性は、初めてお見かけする方で、前任のポニテお姉さんは辞められちゃったのだろうか。
受付専任かと思ったら、私の歯のクリーニングをそのまま担当されて、立派に歯科助手さんだった。
マスク着用なのでご尊顔は判別できないのだが、ベリーショートの髪型は数年前に早朝、同じ電車に乗り合わせていた体育会系女子高生が思い出されて、まさかに「ご本人」だったら嬉しいな、などという妄想をしたりして。
今やほとんどの医療関係者ですら、俺よりも年下になってしまった。
「関係ない話なんですけど、阿仁さんの歯は全体的に丸っこいんですよ」
と言われた(何アピ?)。