『傷だらけのピアノソナタ』

仕事が休みの今日は14時過ぎからようやく少し、ピアノに向かうことができた。
一連のクラシック曲を弾き直すきっかけにもなった『傷だらけのピアノソナタ』は昨夜、残念ながら最終3巻まで読み終えてしまったが。
2巻の終盤にベートーベンのピアノソナタ「月光」の話が出てきたので(さすがに俺の手に負えるのは1楽章だけだが…高校生のとき、初めて弾いた)。
丁度Bluetoothヘッドフォンに充電を仕掛けたタイミングで、弾き終えたら充電が終わってたから、いつの間にか他の曲も含めて2時間くらい、夢中になって弾いてたらしい。



物語はお定まりのハッピーエンドで、いち読者としては一応満足できる「着地」ではあったものの、単行本化にあたって第3巻に特別編が2本挿入されていたりして、恐らくは途中打ち切りになってしまい、紙数が足らなかったのだろう。
その2巻終盤が「クライマックス前倒し」的な、過剰な盛り上がりに感じられたので、嫌~な予感はしていたのだが…*1
素人な俺なりに最近、こういった作品に当たる確率、高くないか?
出版業界全般に景気が悪いのは理解できるが、個人的にはもう少し読み続けていたかった。一度描き切ってしまった「物語」は、同じ作者の手によっても二度と描き直されることがない。
結果「会社都合」で中途半端になってしまったものだけが、こうして後世に残ってしまう。
そんな拙速な打ち切り判断こそ、商業誌をつまらなくしている「構造不況」になってしまっている気がする。
といって俺としても何らかの「代案」を持ち合わせているわけでもないのだが。
結局、心も「懐」にも余裕がないとイイものは創れない、という話だとしたらなんだか寂しい。
豊かな奴らだけが、豊かに物語を紡げるのだとしたら…。
とにかく残念な感じしか残らないの、残念(本作品の内容・評価とは無関係な話です念のため)。

*1:サブキャラ「綾辻」の出番もこれからが楽しみ、な感じだったのだが